第16回 有峰俳句の会(平成30年10月18~19日)
  

〔講師吟

この道のはたしてありし真弓の実     中坪 達哉
蒼天の落つるばかりに紅葉晴 
        同

1句目は、1日目の水須から小口川線沿い、冷タ谷、西谷
2句目は、2日目の折立、砥谷半島
      を詠んだもの。
 

〔特選〕
金秋の山の出入りは祈りから          石黒 順子
秋晴を湖面の色の変はりやう            同

蝮(まむし)草(ぐさ)今年雌とや実の長(た)けて  平井 弘美
これよりは坂道も急ありどほし           同

廃屋の主待つかに秋茗荷            磯野 くに子
どんぐりを拾うて投ぐる漢(おとこ)かな       同

日当りに銀の実残す漆の木           内田 邦夫
登山口人影見えず落葉舞ふ             同

枸杞(くこ)の実の苦くて此処(ここ)は廃墟村   新井 のぶ子
鈴の音を昂(たか)ぶらせては茸狩          同

錦秋のサカサマ谷や水速し           渡辺 美和子
有峰に響くオカリナ照紅葉             同

青年のオカリナの音や雲も秋          篠原 信子
みづうみを霧の流るる朝(あした)かな        同

有峰や腰を下ろせば草の花           老松 成子
たそがるる秋を満喫朱にこめて           同

瞼(め)を閉じて秋風を読む有峰湖        青山 和浩
秋深し落葉(から)松(まつ)林人を呼ぶ        同

アキアカネ羽の宝石誰にやる          平野 康美
山ぶどう猿に負けじと蔓(つる)を引く        同

ななかまどシャンデリアめく数多(あまた)の実  竹内 健心
秋深し蜜柑ほおばる石の上             同