有峰なぜ?なに?博物館

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雪の上で少しずつ切られてできた奇妙な形の木。薪をくりかえしとるための先人の知恵。

「あがりこ」とは、「ブナの奇形木」を指す東北の方言。現在では「特殊な萌芽更新」を指す言葉として定着し、林学会でも使用されている。
かつて、東北地方の山あいの村々では、村人が薪や炭の材料として、雪上に出たブナの幹を伐採したという。伐られた部分はやがて癒合し、大小のグロテスクなコブとなった。また、伐られた部分から萌芽し、生長していった。村人のこの行為は長年にわたって繰り返され、奇妙な形のブナができあがったとされる。人間と植物、豪雪とのかかわりあいのなかから生まれた独特のブナの姿である。
「あがりこ」というのは読んで字のごとく「上がった所から新しく子が生まれる」というところに由来するそうだ。秋田県象潟町には「あがりこ大王」と呼ばれる巨大なあがりこがある。
この「あがりこ」は、東北地方以外にも広島県などで確認されている。有峰でも、冷タ谷を中心に主としてトチノキの木で「あがりこ」現象が見られる。
(2005/1/24 柳川調べ)

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