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有峰森林文化村新聞 2017年10月6日 第394号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/青山和浩
(発行日現在の有峰村民人口:863人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ねじばな便り
 ~神道に内省はない~                  中川 正次
編集局からのお知らせ                 
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ねじばな便り
 ~神道に内省はない~                  中川 正次

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 6月16日の第386号のねじばな便りの最後に、私は、こう書いた。
 律令時代以来の神道の中核は、穢れを祓って清い心にする、あるいは穢れ
を祓うために禊ぎをすることにあった。神道は、そこにとどまり、内省に進
もうとしない。そしてその内省のなさが、明治以降の国家神道にも継承され
ていると、私は考える。

 387号で、八十島さんは、神道に内省はあるのではないかと書かれた。
今日は、それに対する反論。

 私が神道を考えるときに、いつも思い浮かべる人物がいる。平泉澄(きよ
し:1895から1984年)という人。福井県の平泉寺白山神社の第3代宮司。大
野中学から無試験で第四高等学校に進み、東京帝国大学文科大学国史学科を
首席で卒業。東京帝国大学教授として皇国史観を唱えた代表的な学者。立花
隆著「天皇と東大」を引用しながら説明する。

(太平洋戦争において)、正義は我の側にあるのだから(天皇の側にいるこ
とが正義なのだから、こちら側が常に正義である)、天皇のために命を捧げ
ることこそ道徳的に最も正しい行為なのである。死をいとうてはならない。
天皇のために死ぬことは誉にこそなれ、いむことでは全くない。

 平泉教授は、こんなことを主張した。人間魚雷回天の創案者は黒木博司少
佐。彼は、平泉教授に心酔していた。特攻隊が組織されていく中で、平泉教
授は、思想面における最大の牽引者であった。ポツダム宣言受諾をめぐって
クーデター事件が起こるが、彼らの精神的支柱は平泉教授だった。もっとも、
土壇場で教授は彼らを制止する側に回ったことは重要である。

 ここから先は、「天皇と東大」下巻の331ページの途中から転記する。

 しかし、それより何より私(立花隆)が不思議に思うのは、平泉があれほ
ど特攻と、玉砕を煽りに煽って、多くの若者を死に追いやったというのに、
本人はそのことに何の責任も感じていなかったらしいことである。

 特攻隊の父大西瀧治郎中将は、終戦の翌日、「特攻隊の英霊に日す。善く
戦ひたり、深謝す。最後の勝利を信じつつ肉弾として散華せり。然れ共その
信念は遂に達成し得ざるに至れり。吾死を以て旧部下の英霊と其の遺族に謝
せんとす」という有名な遺書を残して自刃した。阿南大将も終戦の日、「一
死以テ大罪ヲ謝シ奉ル」の遺書を残して自刃した。

 平泉には、同じように英霊と天皇に死を以て謝すという考えは浮かばなか
ったのか。それとも、平泉は所詮口舌の徒であって、行動の人ではなかった
のか。

 平泉が戦争が終ってやった唯一の行動といえば、8月17日の教授会に出て
(一言も発言しなかった)、そのあと、「皇国空前ノ大厄難ニ遭遇シテ奉公
ノ誠足ラズ護国ノ力少ナキヲ慚愧シ恐懼ニ堪エズ謹ノデ本官ヲ拝辞シ奉リ度
存念ニ御座候」という退官届を文学部長に提出すると、さっさと故郷に帰っ
て、もとの白山神社の宮司に戻ったことだ。その後平泉は昭和59年(89歳)
まで生きたが、その言動は終生あの時代と変わらなかったと言われる。

 ここまでが、立花隆からの引用である。

 学問、思想の自由は絶対だ。しかし、この平泉教授の行動はやりきれない。
神道に内省があるというのなら、平泉教授にも内省があってしかるべきだ。
そして、彼は、日本会議の源流となった「日本を守る国民会議」の発起人で
あり、日本会議は、あの戦争を悪かったことだとは考えていない。

 有峰森林文化村村長の梅原猛さんは、「森の思想が現代を救う」の中で、
明治以降の国家神道、律令時代以降の禊・お祓い神道ではない、縄文時代か
らの神道を高く評価しておられる。なるほどと思う話を次回書く。

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◆編集局からのお知らせ                 有峰森林文化村
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残り2
 参加者を公募する行事も、今年度は残り2つになりました。
「秋の恵みの集い」は、11日(水)までの募集で残り3名、
「山じまい感謝の集い」は、15日(日)までの募集で残り13名となっておりま
す。有峰の紅葉も日増しに進んでおり、入山できるのも残り1ヶ月余りとな
りました。心残りに ならないよう有峰の自然を満喫してみませんか
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