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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン

有峰森林文化村新聞 2013年7月26日 第289号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/田上十志郎
(発行日現在の有峰村民人口:795人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆「平成24年度行事をふりかえって」
 〜愛着の森 〜木を測り続けて森を知る〜        有峰森林文化村
◆ねじばな便り
 〜トリミングと哲学〜                   中川 正次
◆編集局からのお願い                 有峰森林文化村
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◆「平成24年度行事をふりかえって」
 〜愛着の森 〜木を測り続けて森を知る〜        有峰森林文化村
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 有峰では毎年、愛着の森において、「木を測り続けて森を知る」というテ
ーマで、ヤマハンノキ林、トチノキ林、カラマツ林の3つの森林を1年に1
箇所ずつ樹木調査を行っています。
 昨年は、9年目を迎え、平成24年9月2日(日)新たに「あがりこ」の森の
調査を追加することになりました。
 これは、昔住んでいた有峰びとが森から得ていた森のめぐみによる営みの
証であることの調査にもなります。
 調査の内容は、あがりこの木(トチノキ)に近づいて、メジャーを当てて、
幹の太さや木の高さを調べてみました。そして、有峰びとの営みにも、トチ
ノキの生態にも近づくことができました。
(今年、平成25年度は9月1日(日)にカラマツ林の調査を行う予定です。)
 活動の概要は、次の写真のとおりです。
※「あがりこ」とは、雪の上にでた幹が切られ、切り口から芽が出て奇妙な
形の枝状になった木。(上がったところに子供ができたという意味らしい。)
 これは、薪などに利用し、生活するためにくりかえしとるための先人の知
恵と考えられています。
 東北や北陸など、雪の多い地域で見られます。有峰では主にトチノキのあ
がりこが見られます。

  
   愛着の森の概要説明            「あがりこ」の説明
    
  
過去に雪の上を滑らせて運でいた 冷タ谷遊歩道沿いの「あがりこ」群生地   

  
  「あがりこ」の調査    「あがりこ」調査(あがりこの高さ)

 
  「あがりこ」の幹周りの調査

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◆ねじばな便り
 〜トリミングと哲学〜                   中川 正次
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 先月、伊勢神宮に参拝し、二見浦へ行ってきました。そこは、夫婦岩が有
名で、大きい岩と小さい岩の間に注連縄がかかっています。

 二見浦にバスが停まるとそこは、水族館も併設された土産物デパートでし
た。デパートの中を通り抜けないと二見浦には行けません。二見浦の西の奥
に夫婦岩の場所があるわけですが、そこへ行くには、断崖を切って作られた
舗道(広いので、安全上の問題はない)を通らなければ行けません。舗道の
右手は海です。そして左手は、断崖をくりぬいた、土産物屋さんと神社。

 有名な夫婦岩の写真も、写しているカメラマンの背後には、海産物やらお
守りやらの店が並んでいるわけです。日本の観光地の象徴です。

 二見浦だけではありません。ものごとはトリミングして世の中に出て行く
のです。縁をカットして、そぐわぬものを見せなくしているにもかかわらず、
見せられた人は、その場全体がそんな雰囲気であろうなあと思い込んでしま
います。テレビの観光案内番組で、タレントが五箇山と氷見を旅したとしま
しょう。五箇山の雰囲気と氷見の雰囲気が途中で寸断されているにもかかわ
らず、途中の高速道路の映像を挟まれたら、五箇山から氷見まで滑らかに連
続的に変わっていくような気になるのと同じことです。ましてや、高速道路
の高架が里の風景を醜悪に変えてしまったことなど、完璧にトリミングされ
ています。

 3.11の前までは、「人間は自然の一部であって、自然を征服しようという
価値観は間違っている」という智慧が頻繁に流れていたように思います。高
度経済成長のさなか、水俣病、イタイイタイ病で学んだことと言ってもいい
です。

 3.11以降、その智慧があまり聞かれなくなったと思います。是が非でも、
人間の生命財産を守らなければならない。何が何でも、経済が回らなければ
ならないという風になったと思います。成長し続ける経済は、地球環境とし
て、にっちもさっちもいかなくなるということは、生態学や歴史の教えると
ころなのですけれども。

 私が不思議でならないのは、節電しなければならないことは誰もが等しく
理解していることなのに、リニア新幹線の建設が進められていることです。
日本人全体が、社会の見方をトリミングしているとしか思えません。1時間
目に生物の授業を受け、2時間目の物理の授業を受けたとき、生物の授業で
教わったものの考え方を、すっかり忘れたようなものです。少しでも速くど
こかに移動することが人類の夢であるという小学生のような価値観の中にい
ます。平和であるとか、真面目に努力すれば中流の暮らしが成り立つという
ことこそが人類の夢でなかろうかと思うのですが。

 長井真隆先生が、富山市科学文化センター(現:富山市科学博物館)の初
代館長として、東大の竹内均教授(地球物理学)にセンターの運営方針を尋
ねたら、「真善美をあくまでも追求しなさい」と答えられたそうです。社会
の見方のトリミングを逃れる上で大事なことは、真善美、言葉を言い換える
と、哲学を基礎においた、ものの見方を身につけることだと思います。

 水と森を通じて、真善美を考える。これが有峰森林文化村の本質でなけれ
ばならないと私は考えています。
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◆編集局からのお願い                  有峰森林文化村
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