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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2012年11月16日 第271号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/田上十志郎
(発行日現在の有峰村民人口:768人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆有峰村民によるリレーエッセイ第47回
〜希少種サイカチの木について〜                       源田 義一
◆10月に寄せられた俳句                         有峰森林文化村
◆ねじばな便り
〜継続は力なり                                  中川 正次
◆編集局からのお願い                          有峰森林文化村
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◆有峰村民によるリレーエッセイ第47回
〜希少種サイカチの木について〜                       源田 義一
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 「サイカチ」と言う名の木を知っていますか?。
 この木を見た事がありますか?
 ほとんどの人は知らないと思います。「サイカチ」の木は今迄、県のレッドデータブ
ックに記載されていた絶滅の恐れある野生生物だった。
 近年、緊急性の高い絶滅危惧種が増えている為、「サイカチ」は2002年版から
のレッドデータブック改訂で外れることになった。
  しかし「サイカチ」は絶滅の恐れのある野生生物であることには変わりないので
ある。
 勿論、有峰一帯には、まずこの木は存在しない筈である。
 「サイカチ」は暖地の河岸や河原などに生える落葉高木であるが、大きなものは
胸高直径1メ―トルにも達する。
  これは暖かい地方の話であって、ここらあたりの地方では直径20〜30センチ
位の木が普通である。
  この木は普通の森や林では他の植物との生存競争に負けてしまうほど、生存
力が弱いというか、生存する場所や条件を選ぶというか、非常に荒れた土地、例
えば「ガレキ」が沢山あるような急斜面や河原など破壊された環境に適応して生
存している。
 この木の最大の特徴は木の幹や枝の部分に長さ10センチ以上もの鋭く尖った
「トゲ」が生えていることである。
  これは枝が変化したもので実に珍しい。
  羽状複葉で小葉は中央脈の左右で幅が異なる。
  黄緑色の花が5〜6月に長い穂になって沢山つく。果実は長さ30センチ近くも
あって、著しくよじれて、ぶらぶらさがっていて、中には黒褐色で広い楕円形で1
センチ位の長さの扁平な種子である。
  ものの本によれば、「サイカチ」の名は、@西海子(サイカイシ)のなまったもの
とか、A果実の煎汁で体を洗うと皮膚を滑らかにすることから法華経などに出て
くる語のサイカチ(細滑)に由来するとか、果実が堅いことからサヤカタキ(莢堅木)
などとある。
 又、地方によって名前が違っており、なかなか面白い。例えば、セイガジ(青森、
宮城)、シャイカチ(宮城、山形)、サイカチバラ(埼玉、長野、静岡)、チコク(福井)、
ハリエンジュ(島根)などである。
  果実がある「サヤ」はサポニンを含むから泡が出るので古くは石鹸として、洗濯、
入浴に使ったらしい等の記述がある。
  〜さて、話を元に戻そう〜
  「サイカチ」が群生して自生している場所は庄川町の合口ダム右岸に広がる急
勾配なガラガラ斜面である。
  前途した如く「サイカチ」は絶滅危惧種なる生物であり、偶然にも別の調査中に
確認されたのである。
  つまり、この場所は「サイカチ」が群生する環境が保存されている県内での唯一
の場所である。
  ところが、つい最近、合口ダム右岸に小水力発電設備が建設されるのに伴い、
その建設道路設備で、落下防止ネットを張るため、群生の一部のサイカチが伐採
された。
 人間は自分達の生活水準をより豊かなものにするため、そして土砂崩れも鉄砲
水も暴れる自然の力を土木なる技術で抑え込んで安全と豊かな生活を手に入れ
てきた。
  その一方で、自然体の環境でしか、生きる事ができない貴重な生物にとって、
より快適だったこれまでの環境が破壊され、自生する場所が限られるようになって
きている。
  この絶滅危惧種である「サイカチ」は自生地から種を拾い苗木として育てて群生
地近くに移植されて増殖の努力がされているが、環境変化に弱い生物は強い生物
に取ってかわられ、古来から在った貴重な植物は段々と消えようとしている。
  さて、この「サイカチ」は家の名字の由来にも関係しているから面白い。
  北日本新聞の特集号記事の中では名字の多くは地名や地形などに由来すると
あり、木にルーツがある代表各が「松」や「杉」であるが、「サイカチ」の名字は珍しい。
  氷見市谷屋地区に「齊勝さん」は11軒ある。これは「さいかつ」と呼び、名字の由
来は戸籍制度が整い、庶民も名字を名乗ることができるようになった明治時代にさ
かのぼる。
  川のほとりに「サイカチ」と家が3軒。明治の役人らは「ではサイカチにちなみ、3
軒の名字は「さいかつ」がいいのでは、となったらしいとの記事が載っている。
  しかし、その氷見には「サイカチ」の木は見当たらないそうであるから、この木「サ
イカチ」はどこにでもある生物ではなくて、希少種な生物(木)であるという事である。
 
(参考文献)
 1 世界の植物(朝日百科)1979/8
 2 万有百科大辞典(19)植物、小学館(昭和47年)
 3 日本大百科全書(9)、1988/9、小学館
 4 日本の野生植物、台前(T)、平凡社(1989/2)
 5 北日本新聞(記憶をつなぐサイカチ)特集、樹をめぐる物語
   2012年6月1日号
 6 その他、関連図書を参考
                               (完)
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◆10月に寄せられた俳句                         有峰森林文化村
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有峰村民などの方々から有峰の俳句ポストに寄せられました10月のよい句を中坪
達哉さん(富山県俳句連盟会長)に選んでいただきました。
 
俳句ポスト 10月分の入選句(添削済み) 中坪 達哉 選

      オカリナの音に誘われて紅葉山     河原 芳博
       トンネルをいくつ抜けたり照紅葉     金森める子
       葉を落とし三日月のせる梢かな      中川 正次
       紅葉濃き風に吹かれて山下りる     尾近美栄子
       山仕舞い紅葉燃えたる猪根山      田中 好和
      月上げて峰々白し有峰は         岩永 靖典
      有峰の紅葉分け入る遊歩道        田中 久枝
       青空と紅く写るは薬師岳           毛利 史子
       山仕舞い黄色赤色葉の照りて      辻倉恵美子
       身を隠すけものらの目に雪降りぬ    中坪 達哉
                                       以上
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◆ねじばな便り
〜継続は力なり〜                                 中川 正次
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  中坪達哉さんと11月2日に有峰に行くことにしていた。
  西谷いのちの沢で愛着の森対話編をすることが目的である。中坪さんは、年がら
年中、週末、俳句で忙しい。だから、平日の金曜日に行くことに約束したのだ。
  約束したのは5月頃だったと思う。
  出発の3日前になって、「風邪を引いたので、今回は無理」と電話が入った。愛着
の森対話編の観測を停めるわけには行かないので、私一人で行くことにした。
  平日に休暇を取って行くこともないので、11月3日の土曜日に行くことにした。

  11月3日、レンタカーで有峰に向かった。横江の有峰林道掲示板に、「積雪注意」
の表示があった。
  レンタカーを借りるとき、「スタッドレスにしてください」と電話で注文したはずだが、
その確認が甘く、ノーマルタイヤで来てしまったのだ。
  「やばいかも」と思いながら、亀谷に向かった。
 亀谷料金所のおじさんが、「昨日は、ノーマルなら通行不可だった。
 有峰に行くのだったらノーマルでもいいけど、折立や東谷ならだめだよ」。
  「西谷に行きます」。「じゃ、気をつけて」。

  小見線沿線の山々には雪があった。「曇り空なので、降ってきたら、引き返そう」と
心に決めて、有峰に入った。
  橋には雪がうっすらと残っていたが、普通の道には雪がなかった。
  西谷の林道沿いに車を停め、西谷橋で安全を祈願し、いのちの沢に向かった。
  3センチほど雪が積もっていたが、どうということはなかった。
  マザーツリー、仲良しこよし、西谷いのちの沢、センスオブワンダー、逍遥菩薩平
和街道−沿線にある愛着の森対話編の、今年の観測がまだのものを次々と写して
いった。
  雪がうっすら積もっており、その上にモミジやトチの葉っぱが散っており美しい写真
が撮れた。愛着の森で雪の写真は少ないので、いい記録になった。

 後日わかったことだが、武市康子さんと野崎亜紀さんの姉妹が、それぞれのお子
さんを連れて、11月2日に有峰に向かったらしい。
 武市さんが続けている「アナボコ・シートン」の愛着の森対話編のためだろうと思う。
 今年生まれた、篤彦君と一緒に写したかったものと考える。
 ノーマルタイヤだったので、料金所で引き返したらしい。
  「アナボコ・シートン」については、10月21日に、一応、私が、愛着の森対話編をし
ておいたので、今年の記録はちゃんとある。
 中山・石塚・牛房親子と一緒に。

 やっぱり、愛着の森対話編は、早めに観測しておかないと「あらら」ということが起
こる。中坪さんが風邪を引かなければ、私ら二人も11月2日に亀谷まで来て引き返
していたころだろう。
 継続は力なり。日本の数ある格言の中で、最高のものだと思う。地道に続けること。
 これは、われら凡人が大業を成す唯一の方法だと信じる。
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◆編集局からのお願い                          有峰森林文化村
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