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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2012年8月10日 第264号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/田上十志郎
(発行日現在の有峰村民人口:753人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆有峰村民によるリレーエッセイ第44回
 〜ネムノキの花の咲く頃〜                          源田 義一
◆ねじばな便り
 〜決意を口に出しやすい有峰の遊歩道―二枚舌問題その2〜   中川 正次
◆「愛着の森(調査編)〜木を測り続けて森を知る〜」 只今参加者募集中
  (「あがりこ」の調査から有峰びとの営みが解るかも)      有峰森林文化村
◆6月に寄せられた俳句                         有峰森林文化村
◆第10回有峰俳句の会                         有峰森林文化村
◆編集局からのお願い                          有峰森林文化村
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◆有峰村民によるリレーエッセイ第44回
 〜ネムノキの花の咲く頃〜                          源田 義一
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  6月中旬くらいから7月末はネムノキ(合歓木※)の花が真盛りで海抜200〜600
メートル位の山肌はきれいなピンク色に染まった光景があちら、こちらに見られる。
  この木は海岸近くから見られるので分布範囲は広い。
  しかし、有峰は海抜1000メートル以上であるので、この木の花を見る事はない
だろう。
  時節がら山肌が全体トキ色に変色している群生の光景を見るのは、やはり中山
間地域あたりである。
  特に7月初旬から中旬には多数の雄しべが毛のように細長く紅色で美しい花が
咲き乱れる様で、場合によっては山肌が一変する風景に出合う事さえある。
  この木の特徴は樹形がコウモリ傘を逆さにした様になるので形が悪く、余り庭等
の観賞用樹木としては適さないが、トキ色の花で山肌が一変する光景に出くわした
時は実に美しく観賞価値は充分有る。
  ネムノキはネムノキ属で世界に150種以上あり、元来、熱帯性でネムノキはその
中でも最も北に分布する種である。(植物図鑑による)
  最も、この木の特徴と云うか、記憶と云ううべきか、小さい頃の思い出は、夕方、
遊んでいて花の付いた、この木の枝を折って家に持ち帰ると、時間がいく程も経過
していないのに、見るかげもなく、ネムノキの葉が対生する羽片が合わさって、閉じ
て別の木の葉の様にしていた事の記憶である。
  今にして考えてみるに、これはネムノキの夜に葉を閉じる就眼運動(睡眠運動と
も云う)なのである。
  つまり葉柄があり、二回羽状複葉で長さは30p位になる。
  この葉は暗くなると対生する羽片が合わさって閉じる。
  花は夕方近くなってから開きだし、夜になってもまだ咲いている。
  この花がまた変わっていると云うか、変んと云うか、10〜20ケの花が一つに集
まって咲き細長く毛のように伸びている雄しべは長さ3〜4pはある。
〜うまく表現できないが理解して欲しい〜。
  花は1pたらずで目立たない。
  雄しべの先端部は淡いトキ色をしている。(ピンク色に近いものもある)
  花は枝先に10数ケの頭状花序を総状につける。
  花は1ケの頭状花序上に20ケぐらい付くので美しく見えるようになる。
  前述のごとく、この花が夕方に同時に開き、紅色の長い雄しべを沢山傘状に開
花させるので、樹全体がトキ色に見える事となり非常に美しい。
  ネムノキが群生している雑木林の斜面に出合うと、この木の樹高が高いので、
斜面がピンクがかったトキ色に覆われる。
  小生の古里には沢山のネムノキが有り、先日、「おふくろ」から変った話を聞い
たので述べてみよう。
  おふくろが云うには、10〜15才の子供の頃(今、93才)住んで居た村の御婦
人は髪の毛を洗うのに、ネムノキの葉を採って来て洗面器に水を入れて、よく「も
ん」で、その液で髪の毛を洗ったものだと話してくれた。
  石鹸も不足な時代、ましてやシャンプーなど無い時代、何故に洗髪にネムノキ
の葉を用いたのか?非常に興味と疑問をいだいた。
  さっそく図書館で調べてみると、確かに載っているのだ。
  台湾のパイワン族はタイワンネムノキの樹皮の浸出液や葉をもんで髪を洗って
いる事、フィリピンのバタン諸島ではヤエヤマネムノキの樹皮を洗濯に用いた事の


記載があるのだ。
  そこで、採集すべく山に行き、樹皮と葉を水の入った容器でよくもんで水に抽出
させ、この水を手で混ぜると、若干、粘性があり、アワ立ちしたのである。
  そこで、汚れたタオルを洗って見ると白くならないが、汚れ部分は良く落ちた気
がした。(水の中で手もみすれば、落ちる程度より良い感触)
  今の時代の洗剤や、シャンプー、石鹸に比較すれば格段に程度は悪いが、汚
れは確実に落ちる。
  髪に付けて、もんで見た。
  落ちると云うよりは髪の毛に湿りが出る感じがした。
  指先に付けて味を見ると可成りの渋味があるので、タンニンを含有していること
が予想されたが、そんな成分がネムノキの葉や樹皮から抽出されるのか、ドンドン
と知的好奇心が湧いてきた次第で、これからの探求が楽しみである。
  (完)
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◆ねじばな便り
 〜決意を口に出しやすい有峰の遊歩道―二枚舌問題その2〜    中川 正次
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  前回は、「人間は自然の一部であり、この自然を大事にしなければならない」と
言ったかと思うと、「どこどこへ速く移動できるようにしなければならない」「景気をよ
くして、経済成長しなければならない」と言う、二枚舌について書きました。

  本を読む人が減りました。電車の中で、携帯電話やスマートフォンしている人が
増えました。先日、電車の中でi-Padで漫画を読んでいる中年の男性には驚きま
した。
  図書館では、高校生が、メールが来ないかチェックしながら勉強している愚かな
姿に驚きます。
  インターネットのニュース記事は、短く、見出しだけを見ていてもだいたいがわか
るようになっています。

  こうした情報の視覚化・短文化が、自らの二枚舌に対する鈍感さと関係があるよ
うに思えてなりません。

  悪いことをするなという道徳、すなわち勧善懲悪は、小学生でも知っていること
です。
  悪いことを悪いことだと知っておりながら犯すことに対する自覚は、中学生以上の
領域だと思います。キリスト教や仏教は、そこに立っていると思います。

  ところが、勧善懲悪を超えた分野の話は、視覚化・短文化された漫画、テレビ、
インターネットのHTML、パワーポイントでは伝えがたいです。
  旧来型の本でないと表現できないと思います。本は本でも、見出しが多く、キー
ワードを太字にして強調したようなマニュアルのような本では表現しにくいです。
  また、結論を先に書く文体では難しいと思います。
  著者と読者が、一緒に思索するような旧来型の本でないと伝えることができない
と思います。

  音楽、映画、演劇、講演、落語には可能性があると思いますけれども、テレビ
以降に生まれてきたものは、たいてい勧善懲悪レベルの内容しか伝えることが
できません。
  大宅壮一が、「一億総白痴化」と言ったとおりです。

  二枚舌にならないように気をつける方法、それは、思っていることを他人に話す
ことだと思います。
  ぼんやり思っていることを他人に話すと、決意表明したような感じになり、その
人にウソをつくわけにいかないという思いから、反対のことをやるまいという気分
が高まります。
  それでも、つい反対のことをしてしまうわけで、自分に対する嫌悪感が私を襲い
ます。そのことが大事だと思います。

  もちろん、居間でも、会議室でも、喫茶店でも、飲み屋でも、そんな話をできない
わけではありません。
  ドライブしながらでもそんな話はできます。
  しかし、有峰の遊歩道を歩きながら、そんな話をすることこそお勧めです。
  明るいブナ林で、落ち葉の踏み心地を楽しみながら、沢の瀬音や鳥の声を聞き
ながら、哲学の話をできる有峰の価値は、絶大だと思います。
  鬱蒼とした森ではそうはいきますまい。京都に哲学の道があります。
  有峰に哲学の森があると思います。ですから、私は、イタイイタイ病資料館と


有峰の遊歩道をセットにして味わってほしいと思っているのです。

  明るい森を歩いていて、「どこどこへ速く移動できるようにしなければならない」
なんていう話は、場にそぐいません。
  「人間は自然の一部であり、この自然を大事にしなければならない」という話に
なります。
  ましてや、「こんな気持ちのいい森に人にたくさん来てもらって、お金を落として
もらおう」という話をする人はいません。
  持続的な社会を作るために、有峰の明るい森の中で、人と語る楽しみの輪を広
げていきましょう。
  「ええかっこしながらも反対のことをしてしまう」自分を自覚する上でも。
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◆「愛着の森(調査編)〜木を測り続けて森を知る〜」 只今参加者募集中
  (「あがりこ」の調査から有峰びとの営みが解るかも)       有峰森林文化村
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 愛着の森(調査編)では、ヤマハンノキ林、トチノキ林、カラマツ林の3つの森林で、
1年に1箇所ずつ樹木調査を行っています。
 9年目を迎えた今年は、新たに「あがりこ」の森の調査を追加することになりました。
 これは、昔住んでいた有峰びとが森から得ていた森のめぐみによる営みに関する
調査にもなります。
 あがりこの木(トチノキ)に近づいて、メジャーを当てて、幹の太さや木の高さを調べ
てみませんか。有峰びとの営みにも、トチノキの生態にも近づけるかもしれません。
(カラマツ林の調査は来年行います。)
       
           ○冷タ谷遊歩道沿いの奇妙な木「あがりこ」の群生地
    ※あがりことは、雪の上で少しずつ切られてできた奇妙な形の木。薪を繰り返し
    取るための先人の知恵。(有峰トランプより)
      東北や北陸など、雪の多い地域で単木が見られます。
      有峰では主にトチノキの「あがりこ」の群生地(今まで気づかれていなかった。)
    が見られます。

1 開催日    平成24年9月2日(日)
2 講 師     長谷川幹夫さん  富山県農林水産総合技術センター
                           森林研究所 森林資源課長
3 集合      9:00     あるぺん村(乗り合わせで有峰へ向かいます)
          10:00     有峰ビジターセンター
4 日程
          10:00     オリエンテーション
                  (調査とあがりこについての解説、昨年の調査報告)
          10:30     「あがりこ」の森へ出発
          11:30     「あがりこ」の森(冷タ谷遊歩道沿い)調査
                   (「あがりこ」と言われている森の実態調べ)
                   ※樹木位置図、幹径,樹高,萌芽幹数,スケッチなど
          12:00     昼食
          14:30     調査終了
                  (早く終わったら長谷川さんに解説いただきながら帰路に
                   つきます)
          15:00ごろ   解散

5 定員     20名程度(上限50名)

6 申込方法   電子メール(お持ちでない場合は電話かハガキ)に参加される方全員
          の@氏名(ふりがな)、A年齢、B住所、B電話番号、C集合場所(有峰
          ビジターセンターか又はあるぺん村、D(あるぺん村集合の場合は)乗り
          合わせの車を提供してもよいかどうか、を記入の上、8月25日(土)まで
          にお知らせください。

7 参加費   無料。
          有峰まで、自家用車でお越しいただいた方には林道通行券をお渡し
         します。

8 連絡先 〒930-1458 富山市有峰(社)富山県農林水産公社有峰森林部
      Mail:info@arimine.net
      電話:076-481-1758 Fax:076-481-1458

※愛着の森について
 愛着の森事業は、@ドングリを拾い育て、その芽吹きに感動する「ドン
 グリ育て編」、A自分の好きな木を見つけ木と友達になる「対話編」、
 B森の経年変化を調べる「調査編」の3つで構成されています。
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◆6月に寄せられた俳句                          有峰森林文化村
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  有峰村民の方々から俳句ポストに寄せられました6月のよい句を中坪達哉さんに
選んでいただきました。これからも優秀な作品を毎月掲載しますので、有峰へお越し
の際はビジターセンターへお立ち寄りいただき、俳句ポストに投稿してください。

遠青(とおあお)嶺(ね)湖(うみ)のさざなみ日の高し              舛田としこ
ようやくに湖(うみ)見えて来し青すすき                     金森める子
山(ぶ)毛欅(な)実生(みしょう)踏むまじく行く遊歩道              中川 正次
ひそやかにして華やぎぬ栃の花                         本郷 咲子
オカリナの音色や梅雨の森深く                          河原 芳博
足音に応(こた)えて揺るる藪(やぶ)手毬(でまり)               中坪 達哉
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第10回有峰俳句の会                           有峰森林文化村 
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  第10回有峰俳句の会が6月30日(土)7月1日(日)の2日間有峰で行われた。
  講師は、中坪達也氏(富山県俳句連盟会長)をお招きし、有峰のみどり豊かな森
の中を散策し、自然を見つめ五感を通じて体感したことを俳句に詠み、有峰の自然
の豊かさや環境の良さの理解を深めた。

○一句目は、6月30日(土) 冷タ谷遊歩道、湖畔キャンプ場
○二句目は、7月 1日(日) 東谷、記念館湖畔、猪根山

〔講師吟〕
波音に心音重ね薄暑光                             中坪 達哉
雨の中かがやくものに病葉も                          同

〔入選句〕
濃く淡く湖に迫り出す茂かな                           内山 澄子
道標を過ぎ道中へかたつむり                          同
列を逸(そ)れしばし身を置く青葉騒(あおばざい)               太田 硯星
心揺れなば夏霧も移りけり                            同
夏川に憩ふあなたのあどけなく                         明官 雅子
かの人も青葉しぐれに肩濡れて                         同
老鶯の声ふりしぼる雨催                             石黒 順子
もりあをがへる卵は風を待つやうに                       同
水筒のろろんと鳴りて雲は秋                           山下 正江
尺蠖(しゃくとり)も薬師(やく)岳(し)も示(じ)指(し)も霧の中          同
走り根を踏みつつのぼる銀竜草                        桝田としこ
橋いくつ渡りて来しか谷うつぎ                          同
夏の湖早や夕波の音展(ひら)く                         金森める子
羚羊の歩をゆるめ来る緑雨かな                         同
老鶯やざら峠をば目で越えて                          平井 弘美
戻り梅雨三光鳥に起こさるる                          同
矢車草待ちたる君に見せたきや                        中林 文夫
ででむしの触れざる角に睨まるる                        同
老鶯の啼くほどさびしき湖畔かな                        堀田千賀子
車窓縫ふ木の間隠れを青葉雨                         同
夏草を踏むやバッタの子らはじき                        新井のぶ子
きせきれい濡るるベンチに語らずに                      同
人去りて蝶と蜻蛉の水辺かな                          内田 邦夫
あがりこの青葉に窺(のぞ)く空狭し                       同
崖下はよしなとふきの競い合う                         木本 彰一
雨雲の雪形隠し流れゆく                             同
風を聞きオカリナを聞き夏木立                         中島 廣志
熊山鼠(やまね)猿(ましら)羚(かも)羊(しか)五月雨             同
枯れし花未だのせたり朴の木は                        東海 さち
九十九折緑雨にむせぶ歩の乱れ                       同
ホウホケキョケキョケキョホケキョアルペジオ                 中川 正次
稜線の向こうは飛騨や梅雨寒し                        同
百年の山毛欅を抱きて涼しけれ                         新井 てい
再会に傘もてあます花空木                            同
また来たぞ緑深まる有峰に                           尾近美栄子
今が好き昔から好き梅雨の山                         同
吟行の歩みも弾み風薫る                            坂本 善成
新緑にひた降る雨音(あまね)山の朝                      同
さざ波と風の匂いや湖涼し                            犬島荘一郎
梅雨足の強弱ありて湖の面(おも)                       同
湖の底祭ばやしの音聞こゆ                           西宮外喜子
ゆきゆきて青葉づくしのうれ街道                        同
輪になれば二十五名の新樹かな                        尾近奈緒子
雨粒をまとうは清(すが)し山の夏                         同
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◆編集局からのお願い                           有峰森林文化村
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◇ホームページありみネット http://www.arimine.net/
◇文化サークル活動所/有峰デジタル画廊にどしどし 投稿をお待ちしており
ます。(デジタル写真でも絵画(写真に撮って)投稿ください。)
有峰森林文化村新聞は村民の交流の場として利用してください。
◇有峰森林文化村では皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載いたし
ますので、どしどし投稿をお待ちしております。

◇あて先
◇E-メール:info@arimine.net

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