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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2012年6月15日 第260号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/田上十志郎
(発行日現在の有峰村民人口:743人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆有峰村民によるリレーエッセイ第40回
 〜フィトンチットなる化学物質とは〜           源田 義一
◆ねじばな便り
 〜平英彰さんの話−官僚はウソを最後までつきとおしがち〜 中川 正次
◆「有峰わくわく自然探検」の参加者を募集!      有峰森林文化村
◆「有峰村民・村仕事の集い(草刈り)」の参加者を募集!有峰森林文化村
◆編集局からのお願い                 有峰森林文化村
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◆有峰村民によるリレーエッセイ第40回
 〜フィトンチットなる化学物質とは〜           源田 義一
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 今年も有峰に春がやって来ました。
 湖面の周りを初め、山々の草木や森林の樹木は、一斉に目を覚まし、新緑、
若葉、青葉に囲まれ、心も体も爽快になってくる。
 森も常緑樹は、冬眠時の暗深緑色から若葉色に、そして又、深緑色から紅
葉、落葉へと1年のサイクルが繰返される。
 春からの若葉の生育、夏になる迄の色の変化は秋の紅葉色よりは生命の力
強さと、そして私達に勇気と活力を与えてくれる。
 森の緑色は、灰色と茶色の都会の雑踏から逃れ、有峰に来た私達に癒しを
与えてくれる。
 この癒しの効果を与えてくれる物質は何なのだろうか?
 早朝の散歩やハイキング、登山から得られる爽快感を何が引き出してくれ
るのだろうか?

 結論から言うと、それは樹木が放散するフィトンチットなる化学物質群で
ある。
 聞きなれない言葉かもしれないが、このフィトンチットなる化学物質は、
本来樹木に有害な生物を避ける(遠ざける)ために放散される物質の総称で
ある。
 この物質は、以外にも人間をリラックスさせる効果(森林セラピー)があ
ると言う事が分ってきた。

 文献などによれば、この化学物質は50〜100種類の化合物の集り(混合物?)
である。
 だから樹木の種類によって、その成分や放散量が違うのである。(もちろ
ん、時節や天候、気温によっても違ってくる。)
 放散量が最も多いのは、トドマツと言われており、一般にスギ、ヒノキな
どの常緑針葉樹が広葉樹よりも揮発成分が多く、香りが高い(強い)と言わ
れている。

 有峰周辺の森では、常緑針葉樹林が多い、折立から薬師岳の三角点間の森
林帯などがフィトンチットの放散量が多いのではないだろうか。
 また、冷タ谷キャンプ場や冷タ谷遊歩道もその樹林帯が多いので、フィト
ンチットの放散量が同様に多いだろう。

 フィトンチットは、多様な化学物質の集まりであるが、気温が高くなる5
月頃から急激にその放散量が増えて、6月〜8月の高温時期が放散量のピーク
を迎えると言われている。
 不思議なことに、樹木からフィトンチットなる化学物質を放散するのは、
昼間は量が少なく、夜間に量が多いのだそうであるが何故か? 判らない。
 また、雨上がりなど湿度が高い条件の方が放散が活発になると言われてい
る。

 朝靄の早朝などに森林の中の散歩で気持ちよく感じるのは、このフィトン
チットの放散に関係しているのかもしれない。
 森林の中のフィトンチットの濃度が最も高いのは、地表から40p付近だと
言われている。

 森には癒しに効果を与える要素がこの化学物質以外に多々有る。
 例えば、人々に好まれるのは、以外にも落葉広葉樹の明るい森林の場合、
安心感があり活気が高まると言う。
 逆に針葉樹は、慣れない人には不安感を与えるデータがあるそうだ。
 また、鳥の鳴き声、小川のせせらぎ、森の色調なども人々の五感を刺激す
ることにもなるので、このフィトンチットなる化学物質のみが、癒し効果に
好影響を与えていると言うよりは、むしろ、これらを含めた総合効果が癒し
効果を与えているのかも知れない。

〈フィトンチットのまとめ〉
1.50〜100種類の化合物
 2.針葉樹(トドマツ、ヒノキ、スギ)は、広葉樹(ブナ、ミズナラ、カ
  シ)に比べて多い。
 3.夏に多く放散
 4.空気中の濃度は、夜間、朝方に高く、昼間は低い。
 5.雨上がりなど湿度が高いと放散が活発化

(参考文献)
○ 平凡社、百科事典(1990年度版)
○ 化学便覧(南江堂)
○ 化学大辞典(南江堂)
○ 読売新聞(2008年9月、特集号)
○ その他関係資料
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◆ねじばな便り
〜平英彰さんの話−官僚はウソを最後までつきとおしがち〜 中川 正次
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 6月2日、3日の山開き歓喜の集いの語り部は、平英彰さんであった。
 平さんは、夜の語り部講をされなかった。2日の1時過ぎから4時半ぐら
いまでの、冷タ谷、桐山、東谷を歩きながらの語り部講だったのである。

 平さんは、元県の林業職員。有峰にも2年間勤務された。能力が買われて、
新潟大学大学院の教授になられた。
 現地の語り部講の時間だけでなく、夜の音楽会が終わってから食堂で伺っ
た話は、実に面白かった。その一端をご紹介する。

 平さんは、有峰勤務時代(1967、68年)に、東谷で、ブナ林を伐採して、
スギを植える仕事をされた。切ったブナ林はほれぼれするような林だった。
 しかし、スギを植えても、積雪などからうまくいかなかった。ブナ林を伐
採してスギを植えても、ブナやウダイカンバが復活をめざして後から生えて
くる。スギを育てるために、生えてきたブナなどを伐採する除伐作業が何回
か行われた。「スギがうまく育たない有峰なのに、せっかく生えてきたブナ
たちを伐採したら、有峰の森林はどうなるのか。スギも高木性広葉樹もない
荒廃した山になってしまう。計画されている除伐などを中止して、スギ林を
放置すれば、元の立派なブナ林に復元する」と訴えた。

 しかし、林野庁の方針と違うと聞き入れられなかった。このようなことか
ら、就職以来、絶対行きたくないと考えていた林業試験場に異動させられた
と平さんは考えている。

 当時、「国の試験場は基礎研究、地方の試験場は応用研究」と位置づけら
れており、学会に出張したり、論文を書くことは歓迎されなかった。机に向
かって仕事関係の本を読んでいても、「あいつは遊んでいる」と白い目で見
られ、平さんはつらかった。

 中沖豊知事(1980〜2004年に知事)が、初当選翌年の年頭の挨拶で「富山
県は科学技術日本一を目指す。職員は県民のために仕事をしなさい。誰のた
め何のためにやるかをよく考えて仕事をするように」と言われた。
 
 それが、平さんの心に響いた。「それなら、目一杯、研究して論文を書い
て、県民に奉仕しよう。それが私の奉仕の仕方だ。なにしろ、富山県の木は
タテヤマスギだ。スギを研究しよう」と考え直した。

 林業試験場は、現在、森林研究所と名前を変えている。森林研究所の代表
的な仕事の一つが無花粉スギの育成であり、その発見について、平さんの貢
献が極めて大きい。

 一時は腐っていた平さんだったが、中沖知事の言葉がきっかけで、しゃに
むに進めた研究や論文が認められて、新潟大学の教授になられた。
人間万事塞翁が馬。

 平さんは、林野庁が勧めている少花粉スギはだめという。当座は花粉が少
なくても、いずれはどんと花粉を出すので、花粉症対策にはならないのだ。
 無花粉スギは、苗で増えるだけなので、全国に配れるようになるまで時間
がかかる。
 植えた苗が大きくなって花粉を出すスギがなくなるまでの年月を待ってい
られない林野庁は、少花粉スギでしのごうとしている。
 それは、期待はずれになると平さんは訴える。

 平さんは、有峰森林が教えてくれるものとして次の点を挙げる。
1 恵まれた気候
2 有峰の森林は伐採され利用されてきた
3 森林は多くの人々に恵みをもたらす
4 森林は適切な管理によって復元可能
5 林業政策の貧困と国民の無理解は森林を破壊する。

 最後に、東谷で平さんが言われた言葉に、私は笑ってしまった。
 「官僚は、一回言ったことに関しては変えない。ウソは最後までつきとお
しがち」。
 私は、なるほどと思った。官僚とは、狭義には、霞ヶ関のキャリアを指す
が、およそピラミッド型の組織はその弊害に陥りがちである。

 1972年、中田幸吉知事(林野庁出身;1969〜1980年に知事)の英断で有峰
森林の伐採が中止されブナ林が西谷に残った。
 有峰の歴史年表(有峰森林文化村構想に含まれている)では、1969年の水
害と自然保護運動の高まりを理由としてあげているけれども、平技師の提言
が影響したのかもしれない。
 そしてブナ林が失われてしまった東谷。その東谷も、時間がかかるとはい
え、ブナ林に戻りつつある。私たちは、これらのことから、たくさんの叡智
を紡ぎだすことができる。

 お持ちであれば有峰トランプを見ていただきたい。お持ちでない方は、ビ
ジターセンターでお買い求めいただきたい。ダイヤの5は、造林である。写
真は1970年、東谷造林祭の様子の白黒写真である。テントが張られ、姉さん
かぶりした女性が働いている。「スギなどを460ha造林(1959〜73)。
 森林の保続を目指す林業関係者の熱意が伝わる」とコメントが添えられて
いる。
 このカードを、長井真隆先生の肝いりで加え、推敲の議論を重ねたことが
思い出される。http://www.arimine.net/annai/zourinn.htm
 このカードと平さんの話を組み合わせるとき、こんな面白い話はちょっと
ない。
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◆「有峰わくわく自然探検」の参加者を募集!      有峰森林文化村
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 有峰の豊かな自然の中で、森を散策しながら小枝や木の葉、草など植物に
ふれながら様々なゲーム感覚で、自然の不思議や仕組みを学び、自然と自分
が一体であると気づかされ、自然の雄大さやすばらしさを体感できるととも
に、自然の大切さを学習する。
 また、有峰の森の小枝や木の葉などを利用したクラフトづくりにより森の
恵を感じる。

1 主  催  公益社団法人 富山県農林水産公社

2 開催期間  平成24年7月28日(土)〜29日(日)

3 場  所  富山市有峰

4 宿泊場所  富山市有峰 有峰ハウス(電話076−481−1758)

5 対象者   親子で参加(一般参加も可)

6 定員    25名(応募多数の場合は抽選)

7 参加費   中学生以上 7,400円、小学生 5,800円、
        小学生未満 2,600円(食費 夕・朝・昼)

8 交通手段  当公社が準備いたしますバスに乗車してご参加できる方を
       対象としています。
        富山駅北口(8:30)、立山あるぺん村駐車場(9:15)発
       のいずれかでご乗車ください。

9 募集期間  平成24年7月20日(金)

10 応募方法  ハガキまたはファックスで申し込みください。
        (電話での申し込みはお受けできません。)
       (申し込み記載内容)
        住所、氏名(ふりがな)、年齢、性別、電話番号、乗車場所
       (あて先又は連絡先)
        〒930−1458 富山市有峰
        公益社団法人 富山県農林水産公社
        有峰森林部「有峰わくわく自然探検」係 担当 宮原
         電話 076−481−1758
          FAX 076−481−1758
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◆「有峰村民・村仕事の集い(草刈り)」の参加者を募集!有峰森林文化村
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 有峰をこよなく愛する有峰村民により、雑草が繁茂し景観や見通しが悪く
なっている冷タ谷キャンプ場の草刈や野営の体験を行い、参加者相互の絆や
融和を深めるとともに有峰の豊かな自然を五感で感じ有峰の森から元気をも
らいたいと思います。多くの皆様の参加をお願いします。

1 主催  公益社団法人富山県農林水産公社

2 共催  富山森のこども園、ぶなっこ会

3 内容
 @ 草刈 
    とやまの森づくりサポートセンターの指導により、機械を使わず、
   人力作業(カマ)で、草刈を行う。
 A 森のようちえん
    草刈作業中、未就学児を対象に「森のようちえん」を開催する。
 B 野外学習
    焚き火、テント宿泊、野外炊飯などの野営体験により村民相互の絆
   を深める。

4 開催期間   平成24年7月28日(土)9時30分から
               〜29日(日)11時ごろまで

5 場所     富山市有峰 冷タ谷キャンプ場

6 参加者    有峰村民(まだ有峰村民でない方も、この行事を機会に
        有峰村民になってください)

7 定員     50名

8 参加費    18歳以上1,500円、小学生〜高校生500円、未就学200円

9 交通手段   7月28日(土)午前8時30分にあるぺん村集合。乗り合
        わせて有峰へ向かいます。
         鉄道利用の方は、地鉄立山線「有峰口」の駅8時14分着
        で下車して下さい。有峰村民の車で迎えに行きます。
         自家用車を利用される方は、林道使用料(1,800円)がか
        かりますが、冷タ谷キャンプ場で、使用された回数券の控
        えと、未使用の林道回数券を一枚を引き換えます。

10 参加募集締切 平成24年7月10日(火)

12 応募方法  住所、氏名(ふりがな)、年齢、性別、電話番号、交通手段
       (自家用車(何人乗車可)又はアルペン村・有峰口からの乗り
       合わせを希望)を記載したハガキ、ファックス、又はメー
       ルで申し込んでください。

13 応募先   〒930−1458 富山市有峰
        公益社団法人 富山県農林水産公社 有峰森林部「有峰村民
       ・村仕事の集い」係(担当 細田)
        電話   076−481−1758
        FAX  076−481−1758
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◆編集局からのお願い                 有峰森林文化村
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◇文化サークル活動所/有峰デジタル画廊にどしどし 投稿をお待ちしており
ます。(デジタル写真でも絵画(写真に撮って)投稿ください。)
有峰森林文化村新聞は村民の交流の場として利用してください。
◇有峰森林文化村では皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載いたし
ますので、どしどし投稿をお待ちしております。

◇あて先
◇E-メール:info@arimine.net

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