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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2012年3月23日 第254号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/田上十志郎
(発行日現在の有峰村民人口:737人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆有峰村民によるリレーエッセイ第36回
 〜有峰の神様に思う〜       源田 義一
◆ねじばな便り
 〜弁当屋方式で絵を描く〜                中川 正次
◆お詫び                       有峰森林文化村
◆編集局からのお願い                 有峰森林文化村
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◆有峰村民によるリレーエッセイ第36回
 〜有峰の神様に思う〜        源田 義一
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 毎年、有峰の山々に春が来て、そして秋が来る。
 私達は自然豊かな有峰の森に感謝をこめて、山開き、山じまいの集いを開
催する。
 それは有峰の森に宿る神々に一年の安全と一年が無事であった事に対する
安全祈願と感謝を喜ぶ神聖で最大の重要な行事である。
 
 古来、私達は自然物や自然現象等を神として崇め信じてきた。
 自然の恵みは恩寵そのものであり、森、湖、山そして気象とは神威の表れ
にほかならない。
 山、森や湖等には精霊が宿ると考えてきたし、山や海等自然界は神の住ま
いであり、神が降臨する聖地でもあった。
 私達は、例えば山の雄大な景色や厳しい自然に畏敬の念を抱き、例えば隣
の立山の峰や眼前の薬師岳の山々は霊山として崇められてきた代表的な例で
ある。
 有峰森林文化村の山開き、山じまいの集いで有峰大助、湖岸、薬師太郎、
等に祈願するのは自然に宿る神々に祭事をもって深い感謝の念を捧げる村長
の気持ちの何物でもない。
 太陽、水や山は大自然の森、野の木々を太らせ、私達に力強い活力と「い
やし」を与え、自然界の石や木、金属は人間の生産活動にとって欠かせない
原料、素材であり計り知れない力を持つ自然の霊威を前にして人々はひれ伏
し、深い感謝の念を捧げてきたのである。
 そこで大自然の神に焦点をあてて考えてみたい。有峰の豊かな自然には沢
山の神々が宿り、私達の周囲には多種多様な神々が見えない所で人間を守護
しているのである。
 神とは元来、目に見えない存在であるが、神は隠れているので見えないの
ではなく、元々“見えないもの”と考えるのが本当なのである。
 つまり、目に見えないので、恐れて身震いする程、怖い存在なのである。
 有峰大助の樹の前で文化村の首長が祝詞で「かけまくも畏き」と唱える言
葉の意味するものは、目に見えない存在である神は本来、軽々しく口にだし
て云うどころか、心に思う事さえおそれ多い程の大きな存在なのだと云う事
なのである。
 “いにしえ”の人々は目に見えない神を恐れながらも、それでも神を頼り
敬いたいと思い、その為に神を少しだけ身近に感じる事の出来る無形の像と
して自然発生的に自然の中に神を感じる様になったのである。
 私達は神が宿る御神体として有峰大助や他の5ヶ所(計6ヶ所)のを崇め
ている。
 日常、私達は神社に行けばいつでも神に会う事が出来ると考えがちだがこ
れは間違っている。
 何故ならば神は御神体には常駐していないのである。
 神は普段、はるか彼方の常世の国にいて必要に応じて降臨(神仏が人間の
世界に降りてくること)すると古来から考えられてきた。
 この降臨の際に神がよりつくもの、それが御神体である。
 つまり私達の神社などに祀られているのは神ではなく御神体で神が祭りな
どで降りて来て(降臨)、そこに宿れば神として崇めるのである。
 神は木や岩などの自然物にも、よりついて宿るとされる事から巨木や岩を
御神体とすることもあるのである。
 まさしく有峰大助、薬師太郎も御神体なのである。では有峰大助の注連縄
(しめなわ)が巻かれている事の意味は何んなのか?。
 それは“ここからは神聖な場所である”と告知するものなのである。
 稲わらを編んで作られる注連縄は古来の稲作信仰に根差すとされるが、注
連縄の「しめ」の語源は「占める」とする説がある。
 つまり注連縄は一定の区間の占有、所謂、神様の特別区域の“結界”と示
すものと理解すべきである。
 それでは有峰大助の祭壇前に供える山海物の意味は何なのか?。その前に
神への供え物は神饌(しんせん)又は御饌(ごせん)と云う。
 神に祈願し感謝するものである。神も人間と同じ様に食事をすると古代の
人々は考えた。
 そこで祭事の中で神に食事を供え召し上がっていただく事が祝詞と共に重
要な行程の一つなのである。
 その食材には通常、山海の珍味と呼ばれる米、酒、水、塩、魚、旬の野菜
や果物等さまざまである。
 祭事を司かさどる仕事が必要になり、神主が行う。
 お祓いをしたり祝詞を唱えたりする祭祝者(神主)の最も重要な仕事は「神
を祀る」ことである。
 従って文化村の神主(文化村の助役)の役割は有峰の森の神と村長との「
仲取り持ち」的なもの、即ちシャーマン的な役をになっている事になる。
 私達が毎年行なっている一連の行事は非常に神聖なもので、古来の天照大
御神や大国主神の古事記の神々の世界に通ずるものなのである。
 山開き、山じまいの神事では文化村開村時は女性スタッフが神子となり、
有峰大助の樹の御神体前で祓詞(はらえことば)を読み上げ、有峰の森に感
謝をしたものである。
 神(神道)では言葉にも不思議な霊力が宿ると信じられてきた。
 これを言霊信仰と云うが、この様な言葉の持つ霊力を信ずることが祝詞の
根本思想なのである。
 私達がお祭りやご祈願等で耳にする祝詞は非常に難解で、神が対象で独特
の用語で作文されていて読めもしないが、祓詞とその意味を参考に記載した。
 かつての文化村の彼女は練習はしたと思うが、上手に祭事に読み上げたも
のでる。

 祓詞(はらいことば)― 一般的なもの ―
(祭事を執い行うに当り、神職、参る者をはじめ全を祓い清める言葉のこと。
罪やケガレを祓うための方法の一つである。)

 掛(か)けまくも畏(かしこ)き、伊佐奈岐大神(いざなぎのおおかみ)筑紫(つ
くし)の日向(ひゅうが)の、橘(たちばな)の小戸(おど)の阿波岐原(あわぎは
ら)に御禊祓(みそぎはら)え給(たま)えし時(とき)に、生(な)り坐(ま)せる祓
戸(はらいど)の大神等(おおかみたち)諸々(もろもろの)の禍事罪穢有(まがご
とつみけがれあ)らむをば祓(はら)え給(たま)え清(きよ)め給(ため)えと白
(まを)す事(こと)を聞食(きこしめ)せと恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(ま
を)す

(詳訳)
 神様、おそれ多くも私の願いを申し上げます。
 言葉にだして申すことも、また心に思うこともおそれ多い。
 伊ざな岐の大神様は、つくしの日向のたちばなの阿波岐原の入り江で、禊
祓をなさいました。
 そのときに、お生まれになった祓戸の大神たちよ、私たちを不幸にする、
さまざま禍事やつみけがれがありましたら、それらを祓い清めて下さいと申
し上げることをお聞き入れになって下さいと、おそれ謹んで申し上げること
でございます。・・・・の意味である。

 山開きや結婚式など、いろんな祭事で唱えられる祝詞は聞いたことがあっ
ても、その内容となると、よく分からないのが現実ではないだろうか。
  前途した如く沢山神が有峰村民の森に宿っていて私達の活動を見守って
いるのである。

 注)越中一の宮、高瀬神社宮司に取材(2回)を行い、山開き、山じまい、山缶
神、祭り等、神事に関して詳細を聞いた内容を要約して記載した。村民の皆様
に参考になればと考える次第である。

 《参考文献》
 1)日本の神様    日経B,P社
 2)入門、日本の神社 日経B,P社
 3)神様       イーストプレス社
 4)高瀬神社提供資料他
    小祭式資料他
    神拝詞資料他
    山開き
    閉山式の祝詞集及び関係資料             (完)
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◆ねじばな便り
〜弁当屋方式で絵を描く〜                 中川 正次
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 県職員の希望者を募っての絵手紙教室を、1月末の金曜日の午後6時から2時
間、開きました。
 世間では月に何度か通う絵手紙教室もあるようですが、私の場合は、一回
でおしまいです。
 何人集まるか不安だったけれども、幸い、14人の申し込みがありました。
 そこで試してみたことが、面白いことであり、成功したのでお話します。
 それは、私が、弁当屋方式と呼んでいるものです。普通、絵手紙も含めて
絵は一枚をじっくり仕上げるものと考えられています。
 絵手紙教室に参加された方は、全員が初心者。時間中に一枚仕上げておし
まいというのが通常でしょう。
 ところが、私は、1時間20分の実習時間に三枚仕上げることを課したのです。

 その描き方はこうです。柿で説明します。
 一つの柿をテーブルに置きます。白紙の絵手紙の用紙を三枚並べます。
 最初にがくを描きます。左の紙に、がく一枚の輪郭を筆ペンで描きます。
 5秒ぐらいですかね。次に、中央の紙に同様に描きます。
 次に右の紙です。ここで左の紙に戻って、さきほど描いたがくのとなりの
がくを描きます。次は中央。次は右。また左に戻って三枚目のがくというふ
うに繰り返していきます。こうしてがくを描き終えたら、へた。
実と進んでいきます。
 こうして、輪郭を描き終えたら、次は楽しい色塗りです。
 これも、同じところの色塗りを、左、中央、右と繰り返します。

 弁当屋方式と呼ぶわけは、弁当屋さんが弁当を作るときに、テーブルに弁
当の箱を並べて、シャケを配ったかと思うと、竹の子を配り、梅干を配りと
いうふうに弁当を作っていくのと同じだからです。
 絵を描くときにたいへんなのは、輪郭を描く段階です。
 色塗りは楽しいです。輪郭を描いているうちに、いやになることがしばし
ばです。それを乗り越えないと楽しい色塗り時間は訪れません。

 では、どうして乗り越えるか。ちょっとずつ描いていくのです。
 両手の親指と人差し指で四角をつくり、カメラのファインダーのようにし
て紙にどのように描こうかと考えて、おおまかな配置を考える・・・そんな
ことはしません。目に付いたものから描いていくのです。
 しかも部品で。扇型だな、四角だな、三角だな、まるだなって考えて、そ
れこそ梅干を乗せていくように描いていきます。
 三枚並べて描くことで、ちょっとずつ工夫が貯まります。
 そうして完成した作品は、出来映えも上等で、一枚、じっくり仕上げるよ
りもよくなることが多いです。
 
 私は、毎日一枚絵手紙しています。週末は、目に付いたものを描いていま
すけれども、平日は、お昼休みに20分ほどかけて、だいたい、興福寺の阿修
羅像です。通販で買ったもので高さ15センチくらいです。
 その阿修羅のおへそより上を、正面から描いています。
 正面の頭のてっぺんから描きはじめ、正面の顔の外回り、耳、眉、鼻、口、
左の顔、右の顔、広げた左手、折りたたんだ左手、合掌している左手、合掌
している右手、広げた右手、折りたたんだ右手、胴体の順で輪郭をかいてい
きます。

 最後に目を入れるなんてことはしないで、早い段階で目を描きます。
 目を描くのは楽しい作業なので、最後までがまんできないからです。
 毎日描いているので、弁当屋方式みたいなものです。
 ゴッホは、ひまわりをたくさん描きました。きっと彼も、私のような気持
ちで描いていたのではないでしょうか。

「この葉っぱは、昨日よりいい形になったぞ、この種は昨日の方がよかった
かも知れないな」と。カメラは、何枚でもシャッターを切りまくって、いい
ものを選ぶものだそです。
 デジカメは特にそれが簡単ですね。私は、貧乏性なので、何枚もシャッター
を切ることにためらいがあります。意味のないことなのですが、できません。
 絵は、本来、量産できないものです。でも、弁当屋方式なら、意外とうま
くいきます。書道ではありえない手法です。

 村仕事の集いに20家族参加してくださったとします。
 礼状を是非差し上げたいと思います。もちろん絵手紙で。一枚ずつ描いて
いたら、20日かかります。
 短期間で仕上げたいので、弁当屋方式を編み出したのです。
 前の年に参加してくださったご家族には、2ヶ月前くらいに、チラシでお誘
いするわけですが、そのときも弁当屋方式で描いた絵手紙を添えています。

 最後に、絵手紙教室に参加してくれた14人、とても喜んでくれました。
 三枚仕上げて、その日のうちに投函してもらったのですが、反響もよかっ
たと聞いています。
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◆お詫び                       有峰森林文化村
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○有峰森林文化村新聞 2012年2月24日 第252号発行の記事の中で、転記ミ
スにより誤った文字を記載していました。
投稿していただいた方、有峰村民の方々に深くお詫び申し上げます。
※有峰村民によるリレーエッセ第34回〜野兎に思う〜中の
上から3行目
(誤り)      (正)
 「雪が振り出す」→「雪が降りだす」
下から34行目
(誤り)        (正)
 「鉄砲も当たる確立」→「鉄砲も当たる確率」 
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◆編集局からのお願い                 有峰森林文化村
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ます。(デジタル写真でも絵画(写真に撮って)投稿ください。)
有峰森林文化村新聞は村民の交流の場として利用してください。
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ますので、どしどし投稿をお待ちしております。

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