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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2011年11月4日 第245号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/田上十志郎
(発行日現在の有峰村民人口:736人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆有峰村民によるリレーエッセイ第28回
 〜冷タ谷キャンプ場草刈り雑感〜                    源田 義一
◆ねじばな便り   
 〜有峰・富山のブナ林がとても懐かしいです〜            藤井 智加
◆8月・9月・第9回有峰俳句の会に寄せられた俳句      有峰森林文化村
◆編集局からのお願い                        有峰森林文化村
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◆有峰村民によるリレーエッセイ第28回
 〜冷タ谷キャンプ場草刈り雑感〜                     源田 義一
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冷タ谷のキャンプ場草刈りを始めてから、今年で3余年になるが、毎年
そのシーズンになるとウルシの事を思い浮かべる。

 冷タ谷のキャンプ場は管理棟より下り、有峰湖に面する広大な森林地帯
(主にカラ松林)だが、そこには炊事場、便所、キャンプ場、ベンチ等が
長在する森の楽園である。
 
このキャンプ地の主たる木々の直径20〜30cmも在る唐松、ミズナラ、
ブナ、白樺等多岐に亘る。特にテント張りする一帯は唐松の枝が繁り天然
の雨傘と強烈な高原の紫外線防止の役割を果す大切な木々である。
 
地面は長年、唐松の葉が落葉して出来た天然のスポンジ状遊行地が出来
上がって居り、素足で歩いても良い位の地表が広がっていて楽しい。
 
 ところが何故か、この唐松林には木に這い上がる蔦ウルシや山ウルシ、
山ハゼの木、根曲り竹、笹竹等の混在して生い茂っている。
 
 毎年このキャンプ場の下草刈りを40〜60人位の方々と楽しく実地し
て居るが、不思議な事にあれ程、沢山のウルシの木を切り倒しているにも
係わらず、今迄に1件位しか、カブレの発生が無く済んでいる。
 
 これは非常に幸運だと云わざるを得ない。勿論、草刈り前の注意事項で
可成りウルシに付いて講義がなされている事が響いているからであろう。

 一番心配するのは、何も知らないで遊び回っている子供たちがカブレや
しないかーである。 

 私達が最も身近にウルシに付いて“カブレないのか”と思うのは、ウル
シ塗りした新築の家に入った時の、何とも云えぬ変な芳香臭に遭遇する時
である。頬が何となく熱くなって来る現象が起きる。今では生活様式が変
わって家を新築してもウルシ塗り内装を施す人は殆ど無い。変わって今は
ホルムアルデヒド臭による被害に悩まされている。
 
 小さい頃はウルシ塗り職人、所謂“ヌシ屋さん”なる職人をよく見掛け
たものである。このヌシ屋さん達は滅多にウルシにカブれないと、父や母
から、そして大工さんから聞いていたものである。
 
 冷タ谷での下草刈りでは毎年、正直なところ、私もカブれないか、ビク
ビクしながら作業をしているが、カブれはその時の体の調子や気持ちで随
分違うらしい。“カブれる、カブれる”とビクビクしている体の状態と
“大丈夫、大丈夫”と思っている状態とで可成りの違いがあるとの事で、
これは体の免疫作用が大きく関係している。キャンプ場は何故、あれ程の
ウルシが多いのか、生育環境が適合しているのか、不思議である。
 
 ところで美人にはトゲが有るという諺がある様に秋の紅葉時期になうと
周囲の紅葉に比して一段と色彩かに見せてくれるのが実はウルシなのであ
る。特に蔦ウルシは大きな木に絡み付き、木全体を覆い被せる程になって、
紅葉せる様は見事である。
 
 蔦ウルシは山ウルシよりも一段と強いカブレが発生すると云われている。
蔦ウルシは所謂、「蔦の木」と非常によく似ていて間違い易い。山菜のイ
ワガラミやツウアジサイは葉が対生するのに対し、蔦ウルシは葉が3枚ず
つ出て互生する。茎はツル状で細根があって、自生する他の比較的大きい
木に絡まってツルが伸びるのが特徴である。

 蔦ウルシの名は木質が「つる」がツタに似ているウルシと云う意味から
来たものと言われている。蔦ウルシのカブレは強烈なので近くを通り過ぎ
ただけでも炎症を起こす人もいる。ウルシは然様に多々有る樹木の中でも
嫌われ者でウルシと聞いた丈で、体が「かゆくなる」と云う人も意外に多
く、ウルシ=カブレのイメージが定着している。

 ウルシの葉からは絶えずカブレ成分であるウルシオールが微量ながら蒸
散しているので皮膚の弱い人や免疫状態が良くない状態の時等はカブレる
事になる。
 
“カブレ”た時の凄さに付いても良く知られていない。一般的な見方では
ウルシのイメージは「カブレるもの」「紅葉時の葉っぱは格段に美しい」
位の程度であろう。
 
 身近の山々に在るウルシとしては「うるしの木」「山うるし」「蔦うる
し」等であるが、蔦ウルシ、ヤマウルシだけと云ってもよい。
 
 秋の紅葉で山野を彩る山ウルシは余り大きい木にはならず、精々大人の
身長の1.5〜2.0倍位で日当り良い場所に生える。極く希に大木(3〜5m位)
もあるが滅多に見られない。
 
 冷タ谷キャンプ場周辺に自生する山ウルシは樹液を採取する、所詮「作
りウルシの木」とは違い唐松林の下の日陰に自生するので、樹勢も弱く小
さくて葉からのウルシオール成分の蒸散量は日当たりの良い場所のウルシ
に比較して弱いものであろう。木を折ったり、切ったり荒っぽい作業をし
てウルシの樹液を被ったり、触れたり、素手で取り扱ったりしない限りカ
ブレる事はない。
 
 私もウルシにはカブレ易く何回となく登山やブッシュハイキングで被害
に合っている。体の皮膚の部位から「カユ」くなる。カユいから掻く。掻
くと皮膚に傷つく。その部位が熱を持って来る。そして腫れる。ついには
水ぶくれになる。最初は目のまわり、指の間、耳の裏側等の弱い所がカブ
れる。ひどい時は目が見ない位に顔が腫れる。
 
 ところが、カブれ無い人もいるので不思議である。ウルシのカブれは主
成分のウルシオールが原因だが、これは昔懐かしい消毒液クレゾールや石
炭酸(これらは化学薬品)が親戚で、あの医者臭い例の臭いである。
 クレゾールや石炭酸も量を間違えて濃度を高くするとカブれる。昔、化
学の合成実験で手に付着して良くカブれた経験がある。
 
 ところで、ウルシカブれには免疫があるのか?とよく言われるが、答え
は“No”と云うのが本当の様である。単にカブれる人はカブれ成分の
ウルシオールに過敏だと云うだけの事なのである。
 
 ウルシにカブれたら掻かずに安政にしていれば、1週間位で完治します
よーと医者は云うが、あの「カユさ」で掻かずに我慢出来るはずがない。
ウル
シにカブれ無い防御法はウルシの木がある所に近寄らない事が何よりの安
全策である。
 
 私は、僕は、ウルシなんかにカブれ無いと思っている人は、それは単に
偶然にもカブれない条件が整っていたに過ぎない丈の事である。ウルシオ
ールが蒸散する条件の中に入れば、ほとんどの人はカブれる。
 これ迄3回の草刈で1件のみのカブレ発生のみに留まっているのは、正
しく偶然的な好条件が存在しただけの事である。
 
 然ながら、通常のカブれの様に一般的注意を守っていれば、カブれるこ
とも無いし、恐れる事もないのである。驚く事に漢方の医書には、コップ
1杯の水に生ウルシを一滴垂らして飲むと胃酸過多が治ると書いてあると
の事だが、そんな事したら内臓全体がカブれ死んでしまうのではーと心配
だが、ウルシ液の中には収斂性なる血管組織を収縮させるものがあるかも
しれない。
 
 胃の粘膜とか、傷の表面に働いて血管組織を収縮させる薬を収斂剤と云
うが、タンニン(カキ渋ぶ)ミヨウバン(着色剤)などがあるが本当かな
と首を傾げたくなる話である。

 
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◆ねじばな便り   
 〜有峰・富山のブナ林がとても懐かしいです〜             藤井 智加
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中川さんへ

 こんにちは。お元気ですか。有峰村仕事の時の歌「友よ」やその時の様
子を思い出して頑張っています。

 こちらでは英語が大変と感じていますが、少しずつ慣れてきました。今、
とっている授業は、社会人類学、生物、環境学等で、十数人の生徒と先生
で話し合いをしたりします。

 環境学は、有峰の高校生学びの森でやるようなフィールドワーク等もあ
り、楽しいです。

 放課後は、グランドキャニオンに行くトレーニング、学校新聞、ガーデ
ニング、バイオリン等をしています。もうすぐ、グランドキャニオンに行
くので楽しみです。

 寮では、ベルギーのルィーズと部屋を共有していて、ときどき宿題を教
えてもらっています。学校では、アフガニスタン、パレスチナ、インドネ
シア、ドイツなど、いろんな国から人が来ているのでおもしろいです。

 学校はロッキー山脈の中腹に位置しているので、緑に囲まれていますが、
他は、砂、サボテン、小さな木の世界です。木といえば針葉樹ばかりなの
で、有峰・富山のブナ林がとても懐かしいです。今、
環境学(Environmental Systems)で植物について習っているので、また
そのことについて連絡します。

 富山県はもうすぐ寒くなる頃と思いますが、元気に、お過ごしください。

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◆8月・9月・第9回有峰俳句の会に寄せられた俳句        
                                       有峰森林文化村
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10月15日(土)・10月16日(日)に開催された「第9回有峰俳句
の会」の作品を紹介します。

〔講師吟〕
かたくなな笹の緑も紅葉山                 中坪 達哉
欅(ぶな)の実を食(は)むや沢音背に胸に           同
冷(すさ)まじやみづうみは波寄せるのみ            同
欅(ぶな)の実をそのうち剥(む)かず食らひけり        同

〔入選句〕
沢音の奥に沢音照紅葉                   成重 佐伊子
水源の音は天より秋晴るる                    同
名も知らぬ秋草ばかり湖に出て                 同
沢への橋丸太三本落葉積む                   同

満ちたるは樹々の香りや山紅葉              太田 硯星
森の侏儒(こびと)落葉を踏めば答へけり             同
山紅葉洞(うろ)にも声をかけにけり                同
木漏れ日の原生林に秋惜しむ                  同

黄葉(もみじば)の明るくてただ蹤(つ)いてゆく       菅野 桂子
さはやかな一礼をもて沢に入る                 同
この道の木の実踏まねば進まれず               同
秋空に点呼大きく沢に入る                    同

みづうみの秋の匂ひを掬(すく)ひけり           境田 芳雄
やはらかく爪先沈む朴落葉                    同
霧襖破り野猿は目(ま)な交(かい)に               同
ボス猿の一と睨みして霧に消え                 同

落葉踏む香りに酔ひて森の奥               木村 紅雪
あたたかく紅葉燃えたり湖寂し                   同
有峰や病葉一つだになきと                     同
鼓舞させしこれがかの沢水澄める                 同

木の橋の折れて転(まろ)びて落葉径            明官 雅子
山椒魚のここが住処(すみか)か落葉降る              同
りんだうの色を濃くして雨上がる                   同
水澄みて「いのちの沢」といふところ                 同

迷ひ込む紅葉浄土に時忘れ                石黒 順子
秋闌(た)けぬミズメの樹皮をはなさずに              同
ひややかや口を大きく狛犬も                     同
秋の空木の葉を鳥と見えもして                   同

瑠璃の実の沢ふたぎにて一休み               新村 美那子
去りかねて幾度振り向く峡紅葉                   同
石投げて秋の湖寂しめり                       同
朝霧の晴れゆく山の錦かな                     同

山霧を湧かせ薬師(やく)岳(し)の動き出す         山下 正江
さざ波の湖の鼓動へ照紅葉                      同
乳色に山煙らせて紅葉川                       同
木の実噛む熊除け鈴を忘れ来て                   同

オカリナを聞けば降り来る木の葉かな           練合 澄子
落葉陰飛騨山椒魚は指の丈                    同
渓深く霧湧くところ幾曲がり                     同
朝寒の散策瀬音聞くばかり                     同

濡れそぼつ黒檜(くろべ)の肌や秋気澄む          平井 弘美
樹の洞(うろ)に入りて瞑想秋深し                  同
山粧ふ湖のさざ波色づきて                      同
林道の畳みかけくる黄葉かな                    同

山霧の宙より道の現れて                    堀田 千賀子
末枯(うらが)るる光と影の森を行く                   同
この先はけものみちかも秋深む                     同
見返りて紅葉浄土や嶺々は                       同

のぞきこむ水すがしくて紅葉山                 金森 める子
たぎつ瀬にひとかたまりの落葉かな                  同
三三五五紅葉浄土の風を行く                     同
そぞろ行くぶどう照葉は重なりて                    同

飯(いい)を盛る椎葉も今は枯れ落ちて             木本 彰一
散る後の余韻願ひし紅葉かな                     同
霧湖面幽玄無限山深し                         同
垂れ雲よ錦秋隠し如何にせん                      同

霧払いダムの大きく現るる                    内田 邦夫
熊出しか鈴音高く男行く                         同
もう一本竜胆ありて森の道                       同
落とさじと?(ぶな)の実しかと握りしめ                  同

ぬかるみてぬた場は落葉まみれかな             新井 のぶ子
なだるるは秋の峰々有峰湖                       同
山霧や鴉一羽の道案内                           同
橡の実を探せど未だ沢の道                        同

山も秋言葉の絵の具見つかるか                尾近 美栄子
落葉松の降る音を聞き君想う                       同
懐かしむ霧にかすみし薬師岳                       同
南無阿弥陀仏谷の流れも秋彼岸                     同

 有峰村民の方々から俳句ポストに寄せられました9月のよい句を中坪達
哉さんに選んでいただきました。これからも優秀な作品を毎月掲載します
ので、有峰へお越しの際はビジターセンターへお立ち寄りいただき、俳句
ポストに投稿してください。

林間に薄紅映る有峰湖                       橘 邦雄

枯葉踏む山毛欅(ぶな)の林に響く音              高山 一郎

たたずめば湖畔になびく萩の花                 長久 紀一

耳すましせせらぎの音秋めきし                 近江 幸人

秋晴の冷タ谷行く歩も軽く                    木下 和男

白樺の森を廻りて秋うらら                    木下 光子

拾いたる栗にも似たる橡の実よ                佐々木ヤイ子

白樺の木の根にひそむがまがえる               中田 進

とちの実を見つけては行く良き日和              深井かおる

秋めきし森に野草にこんにちは                 伊藤紀美子

映し出す秋の風情や有峰湖                   中田 好子

何処の国か相々傘でキャンプ場                 関口 堯

計りては森を知り行く薄紅葉                   酒井 淳子


 有峰村民の方々から俳句ポストに寄せられました8月のよい句を中坪達
哉さんに選んでいただきました。これからも優秀な作品を毎月掲載します
ので、有峰へお越しの際はビジターセンターへお立ち寄りいただき、俳句
ポストに投稿してください。

森の夏みんなの笑顔あふれだす                石黒 史夏

緑の森楽しみ方をまなんだよ                   犬島 梨乃

ありみねはしぜんいっぱいたのしいな            井野口 明香

梅雨明けの湖面一枚の絵となりて              岩崎 千鶴子

緑の中いろいろゲームで友できた                江本 卓弥

宿泊の夏のありみねきれいだな               大坪 九菜莉

ありみねはきりがいっぱいさむすぎる              奥野 史奈

新緑の山毛欅じ歩けば樹幹流                 金森 める子
夏の雲流れ交わる瀬音かな                      同

ありみねこかがみのようにひかってる             金木 大成

キャンプファイヤー闇より女神降臨す             上島 真智子

ありみね湖ささぶねいっそううかぶ夏            久々江 美鈴

ありみねは夏はすずしいねやすいな              久保田 光

有峰の交流ふかめる夏休み                   澤柿 朱里

山歩きつかれたけれど高い空                 塩田 つぐみ

白い雲取ってみたいけど届かない                清水 章代

有峰の木々に花々夏の雲                     須藤 晃平

哀しみを心に沈め夏の湖                      木 正之

風かおる有みねの森夏が来た                  田中 椋大

有峰の雨にうたれし森の夏                    谷井 直幸

秋まじかほのおとともに話しこむ                 中川 正次

有峰の森も豊かで涼しくて                   中山 永実子

有峰の青葉を映す水の色                     布橋 芳美

ありみねは下界とちがってすずしいな              橋本 七海

ありみねこにてんぼう台がほしい夏               平井 嘉幸

涼しげに風にふかれて有峰湖                  藤城 紀香

木々の中と鳥のさえずりにいやされる              藤城 悠太

蝦夷薊刺が光れば日が暮れる                  前崎 定男
毒笹子食べて苦しむこともまた                     同

立秋や自分に返してくれる風                   松井 泰子

涼風を胸に子供らと体操す                      飯 常世

鳥の声緑に包まれ猪根山                      飯 美羽

ひびいてるミンミンとセミの声                   山下 育夢

有峰キャンプけっこう友達できました             渡辺 航太朗

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◆編集局からのお願い
・ホームページ”ありみネット(http://www.arimine.net/)

  /文化サークル活動所/有峰デジタル画廊"にどしどし 投稿をお願いし
 ます。(デジタル写真でも絵画(写真に撮って)投稿ください。)

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 皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載しますので、どしどし
投稿ください。お待ちしております。
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