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ありみネット http://www.arimine.net/

有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2010年4月17日 第205号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/羽座千敏
(発行日現在の有峰村民人口:686人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第85回目 有峰からオレゴンへ 中川正次
   〜精神と風土の乖離を、如何に止めるか〜
◆「山開き歓喜の集い」参加者募集
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◆オレゴン有峰往復書簡第85回目 有峰からオレゴンへ 中川正次
   〜精神と風土の乖離を、如何に止めるか〜
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吉村稔さんの話、びっくりしました。インターネットで、奥さんのブログ
を読んで感動が深まりました。
http://www.cafeblo.com/safrica/

私が有峰森林文化村を考え始めたのは、2000年です。上司の治山課長だっ
た小見豊さんは、武士道とか魂とかが大好きな人でした。小見さんが、知
事であった中沖豊さんに「有峰森林文化村をしたい」と話したときのこと
です。

中沖:森林文化ねえ。ところで、西洋の森林文化はどんな風になっている
   のかね。
小見:西洋のことはわかりませんが、私は東洋思想による有峰森林文化村
   をしたいと思っております。
中沖:わかった。その線でやりなさい。

日本において東洋思想は、三つの層をなしていると、私は思います。縄文
思想が下層にあって、仏教と老荘思想が乗っかっていると解するのです。
釈迦がはじめた仏教は、大乗仏教を派生させ、縄文思想が基盤にある日本
にたどりつき、最澄によって山川草木悉皆成仏という言葉に結実しました。

一方、老荘思想を端的に示す言葉を、長井真隆先生は、有峰森林文化村基
本構想策定委員会の席上で、このように披露されました。

切って何かを作ろうなどと思うな。その下に寝転がって心を宇宙に向かっ
て開くならば、こんなに役立つことはない(荘子逍遥編)。

これら3つの思想を背景として有峰森林文化村のパンフレットには、次の
ように書きました。

20 世紀は,「戦争と技術」の時代だった。これは、人間だけが特別であり、
いのちは死んでしまうと何も残らないとする砂漠の思想から生まれた。
「戦争と技術」 の社会は限界に直面しようとしている。生きとし生ける
ものが、みんなつながっていることを否定する砂漠の思想の限界だ。21世
紀は、「平和といのち」の時代にしたい。共生と循環、自然への畏敬―森
の思想に戻らなければならない。日本の文化の底流には、縄文以来受け継
がれてきた森の思想がある。国土の7割近くが森に覆われている日本は、
森の思想に立つ「平和といのち」地球社会への先導役でなければならない。
有峰の静かで豊かな森と湖。これらと森の思想とを一緒に、次の世代に引
き継いでいこう。
つまり、
西洋思想 = 砂漠の思想
= 「戦争と技術」 の社会の根底にある思想と考え、有峰森
林文化村発足時に目指していたもの
     = 東洋思想
     = 森の思想 
     = 「平和といのち」の社会の根底となる思想
     = 縄文思想 + 山川草木悉皆成仏 + 老荘思想 と考え
ていたわけです。

「幸せって、なんだっけ」(辻信一著:ソフトバンク新書)を何度も読み
返しています。81ページに、こうあります。

(前節で、支え合いができなくなった日本社会を論じたあと)日本人が抱
え込んだもう一つの不幸せに破壊された風土の痛々しい姿があるだろう。
(中略)。自然を大切なテーマとする伝統文化をもち、山川草木を神々の
棲まうところと見る精神性を継承しているはずの現代日本人の大部分は、
しかし、まるでそんな変化には気づかないかのようだ。

パンフレットを書いていた頃は、「森の思想」対「砂漠の思想」の図式で
考え、日本人は自然を大切にする世界でも指折りの国民と思っていました。
そのはずが、・・・・

辻さんの本を読んで、第一に、上の式は正しくないこと。第二に、「森の
思想」は世界各地で見られるのであって日本だけが素晴らしいわけではな
いこと。第三に、「森の思想」を飲み込みつつあるのは「砂漠の思想」で
はなくて、経済成長主義であること。第四に、その経済成長主義に疑問を
感じている人が、アメリカに3割程度おられるということがわかりました。
パンフレットの記述を変える必要まではないと思いますが・・・。問題は、
現代日本人の精神(自然を大切なテーマとする伝統文化をもち、山川草木
を神々の棲まうところと見る)と、風土の痛々しい姿との乖離(かいり)
を、如何に止めるか。

辻さんは、この本の229ページで、3つのSの中に本当の豊かさがあると
説きます。Soil(本来、土という意味ですが、自然全体をさしています)、
Soul(心)、Society(社会。周りの人との助け合いも含めます)です。4月
は人事異動の季節。Status(地位)が、本当の豊かさの要素でないことに
注目しておきましょう。

日本人の大部分、そしてアメリカ人の3割が共感する3つのSを、たゆま
ず追い求めていきましょう。

Soil、Soul、Societyの3つの輪づくりに、音楽の力は大きいと思います。

「うさぎ追いし」ではじまる、「ふるさと」の3題目はこうです。

志(こころざし)を はたして
いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷
水は清き 故郷

この歌が作られたのは1914年。イメージは、故郷を後にして、旧制高校や
陸軍士官学校、海軍兵学校に進み、出世し、しかるのちに、山や水が美し
いふるさと帰りたいというものです。高校時代に習った漢詩に通じるもの
がありますね。老荘思想です。

今日は、故郷の青い山や清い水を守ることに志を立てなければならない時
代です。

そんなことをすらりと説明しながら、畳一畳ほどの白布にマジックで書か
れた歌詞を見つつ、ギターやオカリナに合わせて歌う有峰冷タ谷湖畔は素
晴らしいと思います。
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◆「山開き歓喜の集い」参加者募集
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 有峰林道の開通後、最初の行事として有峰村民による「山開き歓喜の集
い」を行います。
 新緑と早春の花に包まれる有峰で、仲間との再会を喜び、注連縄づくり、
餅つき、語り部講などを通じて、有峰の森の恵みに感謝するとともに、一
年の安全を祈願したいと思います。
 多くの皆様のお越しを心からお待ちしています。

1 目的  有峰の森の恵みに感謝し、有峰村民との交流を深める。

2 主催  社団法人富山県農林水産公社 

3 開催日 平成22年6月5日(土)〜6日(日)

<6月5日(土)>

13時   有峰ビジターセンター集合
13時10分 冷タ谷へ出発
13時30分 冷タ谷の自然観賞、森の散策
     (散策をしながら有峰ハウスへ向かう)
16時 有峰ハウスチェックイン、自由時間、入浴
18時   夕食
20時   語り部講
      講師:前滑川高等学校長 
平内 好子氏

<6月6日(日)>

7時    もちつき、注連縄づくり、お供え(有峰大助)、朝食
      (指導者 もちつき:佐竹 猛 あい子 ご夫妻、
      注連縄 :沢田 恵美子氏)
9時    お供え(慰霊碑.展望台.冷タ谷湖畔.お墓.薬師太郎・花子)
11時30分 振り返り
12時   解散

4 対象者 有峰村民(定員25名)

5 参加費 4,850円 

6 必需品
水筒、保険証のコピー、雨具、長靴、長袖・長ズボン・帽子(色は、
ハチの被害を避けるため黒いものは避ける)、軍手、参加費

* 有峰ハウスには、ゆかた、丹前、歯磨きセット、フェイスタオル(バ
スタオルはありません)、ドライヤーがあります。

7 申し込み、問い合わせ先
住所・氏名・性別・年齢・電話番号を記載して平成22年5月30日(日)ま
で(必着)に、ハガキまたはファックスで申し込んでください。

(1)郵便930−0096 富山市舟橋北町4−19
  社団法人富山県農林水産公社有峰森林部「山開き歓喜の集い」係

(2)電子メールinfo@arimine.net

(3)電話 076-444-4481(5月14日まで) 076−481-1758(5月17日以降) 
  
  担当 羽座

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