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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2010年2月6日 第200号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:685人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第80回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜「国と邦」「少年時代」〜
◆「ありみね高校生学びの森」に参加して
  富山県立富山南高等学校2年 本屋 志織
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◆オレゴン有峰往復書簡第80回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜「国と邦」「少年時代」〜
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あの新湊の夜の三日後に私はポートランドへ戻りました。12月31日成田空
港で年越そばを食べてから飛行機に乗り、オレゴンに着いても引き続き31
日の朝です。つまり私は大晦日を24+17=41時間過ごし、その夜は二度目
の年越そばを家で食べました。 

空港の売店で週刊朝日を買ったので私も五木寛之、姜 尚中氏の「新・欝の
時代」を読みましたよ。 

このお二人の対談で時代のこと以上に特に私が共感をおぼえたのは次のく
だりでした。

《 五木「・・・植民地にいた日本人の自分が国家から見捨てられたことが身
に沁みているので国家は国家のためにあって、国民のためにあるんじゃな
いというのが信念になっているんです。ですから、国が信じられないから
といって今さら慌てるなと。・・・」「やがて国家を超える「脱国家」の時代
が出てくるんじゃないかと。なにかを「信じる」人々の集団が、国や民族
を超えるのではないかと。」
姜「それになりうるのは、日本がもっている文化力でしょう。・・・」
五木「・・・個人の間から新しいネイションや組織の芽が生れてくるのではな
いかな・・・」 》

二氏の言わんとすることは「国」でなく「邦」の時代がこれからはじまる
ということだと私なりに受け取りました。

五木さんの棄民された思いは私もある程度共有しています。何ゆえかは長
くもなり、恨みつらみになるのでここでは言いません。日本にいたら自分
でもおそらく知らずに来ただろうと思います。シベリアに抑留されていた
私の父達も感じたことかもしれません。現代では拉致被害者のご家族も感
じていた(いる?)ことでしょう。

しかしながら、「国」がどんな体たらくであれ、世界の辺境で、ある時は
過酷な状況でも在外邦人である私達の心を支えているのは「邦」としての
「日本」あるいは「日本人」の誇り、意地です。藤(フジ)の根のように
強い心根で私達を結ぶ絆が「邦」だと思います。 

「国」と「邦」。じぃ〜と十秒ほど見比べてみてください。字面からだけ
でもイメージの違いが心に浮かんできませんか? 私の場合ですと「国」
は必要悪というマイナスイメージのほうに傾きます。

たとえば、「親方日の丸」の鶴がとうとう万歳してしまった日航。高度成
長の時期は誰がどうリードしてもそれなりに伸びてきた。その後の乱気流
の時代でも「国」にスポイルされしゃぶられ続け、行くところまで行きつ
いた結果と言えるでしょう。しかし、日本人の細やかなセンスと智慧と勤
勉さを活かせば遠くない将来には自力で本物のフラッグキャリアに生まれ
変わりうると私は見ます。

外から見ると「和風」「日本」「Made in Japan」は上質と信頼のプラスイ
メージを(まだ)保っています。こればかりはどれだけ新興国が望もうと、
何十年という実績を積み続けねば築きえない何物も取って代わることの出
来ないファクターです。

これはどっちの「くに」が作ってきたと思いますか? 明治ならば「国」
だったでしょうが戦後はSony, Nikon, Honda, Panasonic, Sushi,
Ichiro, Matsui… 「邦」でした。

デフレ、少子高齢化、国際関係、教育の荒廃など、この「国」の2010年を
見通すとそれこそ「鬱の時代」に見えるかもしれません。しかし、人も
「邦」も本来はもっとしたたかなものです。

現代が人類の終りみたいにマスコミは煽りますが、五木さんはこう述べて
います。
《 「今の日本の有り様や自分自身の心や地位を「諦める(=明らかに究
める)」ことで新しいスタートが切れるのかもしれない。」 》
文化村憲章のいう自分を見つめることと同じですね。
「国と邦」はこの数年ずっと私の心の一角を占めている命題です。
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ところで、この対談記事の7ページ後ろ、脚本家・内館牧子さんのエッセイ
「暖簾にひじ鉄」を読みました? ある歌と藤本敏夫さん(歌手・加藤登
紀子さんの亡夫)とを巡っての20年間の回想を書いています。いい文章で
すね。これで連載417回! このエッセイストの人生経験の豊かさがうかが
えます。

ある歌とは?

中川さんが有峰で、何回か私に聴かせてくれたオカリナの曲。初冬のある
晩に万葉線の新町口ホームで吹いたという『少年時代』です。

この歌が世に出る二年前に私はアメリカに渡ったので、(陽水が作ったそ
ういう歌があるそうな)ということしか知らずにおりました。 中川さん
のオカリナからはじめて私はそのメロディを聴いたのです。 KNBの小林
淳子さんと猪根山の遊歩道を歩いた多分あの時だったと思います。その後
も冷夕谷のキャンプ場でも、東谷の山道でも聴きました。なので、私にと
ってこの歌は有峰の湖や谷、森の景色と結びついています。
 
のちにその歌詞も知りますが、聴く人一人ひとりの心がそれぞれの子供時
代の夏の景色にスウ〜ッと戻っていける・・・ こういういい歌、万人の口に
上る―『涙そうそう』のような― 歌はなかなか出ませんね、とくに近年
は。

井上陽水という詩、曲、歌 三つに秀でたアーティストは天才だと思いま
す。こういう人たちを輩出した70年代というのは世界的にも音楽のビッグ
バンの時期でした。
 
日々のさまざまなシーンで歌があることで、私達はどんなに心豊かに過ご
せていけるでしょう。今は街ではi-Pod、カラオケなどいつでもどこでも音
楽を楽しめますが、有峰の森ではオカリナのあのアコースティックな音色
がなんとも心地良い。訪れる人たちも森の中、空の下で歌います。

ビジターセンターの皆さんがそれぞれ楽器を奏でられるのも素晴しいこと
です。県の事業所数あれど、歌があれだけ身近な環境というのは有峰が唯
一ではないでしょうか? まるでビルマの竪琴のあの小隊のようです。ず
っと続いて有峰の伝統になってほしい。

夏の夕方、あの湖畔でみんなが楽しめる森の音楽会やフォークコンサート
などが催されてもいいですね。 誰もが歌うコンサート。木々、湖面の細
かいきらめき、夕暮れ、夜のとばり、焚き火、満天の星、山並み・・・ 
楽曲と風景の相乗効果でその場にいる人たちの心深くに歌も沁み通るでし
ょう。 いいなあ

さて、私の提唱している自然探訪ツアーの集客の工夫ですか?
騙したり、拉致したりと手口はいろいろありますが、実のところ理想と現
実のギャップは立山キャニオンほど深いです。それについてはまた次にで
も。

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◆「ありみね高校生学びの森」に参加して
  富山県立富山南高等学校2年 本屋 志織
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1日目:川で水生昆虫や魚類の採集・観察をしました。

川の流れる音が気持ちよく、水質もきれいで、さすが下流とは違うなと思
いました。水に足を浸すとひんやりとしており、外の蒸し暑さが吹き飛び
ました。

先生方が水生昆虫の採集の仕方を教えて下さり、より専門的な用語を覚え
ることができました。普段は全然気にしない小さな昆虫を見つけることは
とても苦労しました。私たちが、それらの生き物の存在を知る良い体験だ
ったと思います。

夕方に行った野ネズミのシャーマントラップの設置はネズミの気持ちにな
って設置しました。トラップの装置が手作りで、しかも500円もするこ
とに驚きを感じました。

2日目:野ネズミのシャーマントラップの設置を回収し、その結果30台
中に7匹捕獲されていました。その中にはアカネズミ、ヒメネズミ以外の
ネズミも混じっていました。

スミスネズミは耳などの突起物が少ないということで、陸での生活に適し
ていることが分かり、同じネズミでも生活に適応するために進化したこと
に感慨を覚えました。

真川へ行くと、1日目に行った川よりも水の透明度が増したように感じま
した。石が転がっている中で歩くのは大変で、何度もコケそうになったり
しました。カゲロウなどは見かけなかったので川の標高によって、いる生
物も違うのだと実感しました。

豊かな自然の中で、生き物についての知識を深めたり、専門的な調査等を
実施して、とても貴重な体験でした。この体験から得た知識・気持ちを大
切にして、富山の自然について考えていこうと思います。また機会があれ
ば、ネズミのシャーマントラップにリベンジしたいです。

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