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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2009年7月25日 第186号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:667人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第66回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜トッパー〜
◆「第7回有峰俳句の会」参加者募集
◆「第21回有峰森林文化村祭」のご案内
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◆オレゴン有峰往復書簡第66回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜トッパー〜
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マウント・フッド(フッド山)はオレゴンで一番高く、州のシンボルにふ
さわしい秀麗な立ち姿の山です。オレゴンの紹介の映像などで見た人があ
るかもしれません。パラマウント映画のオープニングのスクリーンロゴの
山を実物にしたような美しさです。一昨日、我家から小一時間の所にある
マウント・フッドを眺望する対面の山に登ってきました。

ダグラス・ファー(=米松)の二次林を縫って山麓を歩いていくと多分十
九世紀後半に伐られたであろうと思われる原生林であった米松の伐根が林
内に朽ち残っています。直径2−3mのその伐り株の地上高2−3mの位
置には数個の穴が穿たれています。

これはこの樹を伐るときに足場となる板を差す穴です。当時の伐採夫はこ
の板に足を踏ん張って斧を振るい、巨大な鋸を挽いて巨木を伐り倒したの
です。穴から腰の高さの所が断面になっています。樹高数十メートルの巨
木は根元の一ヶ所だけで伐るのではありません。何十トンもある幹なので、
根元から切り倒すと自重の衝撃で幹はバリバリに砕けてしまいます。木の
上から順に切り下ろしていくのです。

当時木の上部に登って斧を振るう伐採夫は「トッパー」(Topper)と呼ば
れていました。地上数十メートルで綱を幹に廻して体を支え、枝に足を踏
ん張って大きな斧を振るわけです。力があり屈強であること以上に求めら
れたのは胆力でした。救急車もヘリも無い時代、伐採そのものが死ぬか大
怪我をする危険と隣り合わせの仕事です。その中でもトッパーは群を抜い
て危ない仕事でした。日当は地上の仕事の2−3倍払われたと思います。
そんなトッパーになる男は自分の命と体だけを元手に金を稼ごうという人
達でした。当時 ―開拓時代― のアメリカでは、男が体一つで一財産作る
には人並みなことをやっていてはだめで、捕鯨船に乗り組むか、ゴールド
ラッシュに乗って金(キン)を探し当てるか、このトッパーをやるかでし
た。

今の時代、林の中には当時を偲ぶ伐根に穿たれた足場の跡はまだ残ってい
ますがトッパー達を思い起こす何の痕跡も無く、次世代の米松の梢に風が
吹き渡っているだけです。オレゴンの森林にはいったい何百人何千人の男
たちの血が沁みたことでしょうか。別にオレゴンだけが西部ゆえワイルド
だった訳でなく、その時代は世界中が、街も工場も戦争も「そんなもの」
だったと想像します。
 
有峰ダムが完成した昭和35年を現代というかどうかはわかりませんが、有
峰ハウスの奥にあるあの殉職者慰霊碑に刻まれた百人余の人名を見るとや
はり厳粛な思いに浸されます。

「ダムを造る時に一番危ない仕事はクレーンで吊るされたワイヤーの先端
に下げられた生コンを入れたバケットに乗り空中でその開閉をする作業だ
った。 バケットは揺れる、足元は滑る、体は凍え手はかじかむ・・・ 何
人も落ちて死んだ」という話を聞きました。

オレゴンの山でそのことを思い出しました。そして「昨秋、山じまいの前
日に私はかの慰霊碑にお参りし、そこに彫られた百人余の氏名を見ました。
空中に命と体を張って働き、今は何の痕跡も残っていない。墓や碑があっ
たところで歳月の流れには市井の私達はいずれ「無名」と同じことになり
ます。 が、ただの自然の風景と思って山河を見てもそこに生き、生き終
えた人達のことに想いを馳せる時、今の時代に私達がそこにこうして居る、
生きていることの巡り合わせの不思議さに胸を打たれます。

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◆「第7回有峰俳句の会」参加者募集
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 有峰森林文化村では、中坪達哉さん(富山県俳句連盟会長)を講師にお
迎えし、「第7回有峰俳句の会」を開催します。盛夏の有峰の自然を見
つめ、俳句を通して有峰の水と緑といのちの森を五感で感じてみませんか。
行事の都合上、募集人員は15名とさせていただきますので、早めに申込
み願います。

1 主催   社団法人富山県農林水産公社

2 場所   富山市有峰(宿泊:有峰ハウス076-481-1758)

3 日程   平成21年8月29日(土)〜30日(日)

8月29日(土)
 8時30分 富山駅北口集合。出発。バスにて有峰に向かう。
 9時10分 立山あるぺん村(乗車)
 10時   有峰散策(西谷・いのちの沢)
 18時   夕食(有峰ハウス)
 19時30分 句会(有峰ハウス食堂)

8月30日(日)
 7時   朝食(有峰ハウス)
 8時30分 有峰ハウス出発
 9時10分 祐延湖周辺散策
 12時   昼食(有峰ハウス)
 13時   句会(有峰ハウス別館・会議室)
 14時30分 有峰ハウス別館出発
 15時20分 立山あるぺん村
 16時   富山駅北口、解散

4 募集人員 先着15名(初心者の方も大歓迎です。)

5 参加費 7,450円

6 申し込み方法・申込期限
  葉書に、住所・氏名・性別・電話番号・乗車場所を記入の上、
  平成21年8月14日(金)までに申し込んでください。
  〒930−1458 富山市有峰    
  社団法人 富山県農林水産公社 有峰森林部俳句係

7 問い合わせ
(1)電子メールinfo@arimine.net
(2)電話 076−481-1758 担当 藤森

8 その他
(1)参加者が決定次第、連絡します。
(2)8月29日の弁当(昼食)は持参してください。

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◆「第21回有峰森林文化村祭」のご案内
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 8月8日(土)10時から「第21回有峰森林文化村祭」が開催されます。
楽しいイベントがたくさんありますので、ご家族揃ってお越しください。
多くの皆様の参加をお待ちしています。
<内容>
 バイオリンコンサート
 友香ライブ(森の中コンサート)
 ワークショップ(燻製つくり、火起こし体験、ゴムパチンコ作りなど)
 有峰ダムミステリーツアー
 木工クラフト教室
 イワナ・ニジマスランド
 埋蔵金クイズラリー
 キャンプファイアー
 うまいもんコーナーなど

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皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載しますので、どしどし投稿
ください。お待ちしております。
あて先は
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