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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2009年6月27日 第184号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:665人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第64回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜車の話(続き)〜
◆土壌動物の話し(その11)「ベソッカキトビムシの涙」
   富山県立滑川高等学校 校長 平内好子
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◆オレゴン有峰往復書簡第64回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜車の話(続き)〜
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このアメリカという近代に出来た国は市場経済に任せることを一つの国是
としているだけのことはあるなあと感慨することがあります。交通システ
ムのことです。その国の交通システム、これは近現代の産物ですが、この
国はことごとくそのトップ企業を放任の末、倒産させています。

航空: かつてアメリカのフラッグキャリアで『パンナム』がありました。
    今も大手のユナイテッド、アメリカン、ノースウェストなど軒並
    み会社更生法の適用を受けました。

鉄道: 鉄道会社はほとんど民営ですが(アラスカなどは州営)、自由放
    任です。唯一全米をつなぐアムトラックも会社更生法での更正中
    です。

バス: 全米をカバーする最大手のグレイハウンド社も会社更生法での更
    正中です。

海運: 大手の海運会社が外資に買われたり。合併したりしていますが放
    任されています。

港湾運輸:大手の港湾会社にアラブ資本が入り、これは国防上の問題があ
     るのではないかと騒がれました。顛末は不明です。

そして今自動車。トップのGM、3番手のクライスラーに更生法を適用。こ
こまでの姿勢はあっぱれではないかと思います。

就任して半年が過ぎたオバマ大統領ですが、なかなかしたたかだなと私は
思います。何故かというと彼は確信を持って言動不一致あるいは二枚舌を
行うからです。これは私は本当に純粋にプラスに評価しているのです。 
アメリカは血の気の多い連中が多い。ストレートに物事を言うとオバマ大
統領の命は幾つあっても足りないでしょうから。

GMを生まれ変らせると言う一方でほとんど不可能な排ガス規制も決める。
相当な荒療治をやるつもりです。人口の少数の賢い洞察力のある人々には
彼の本音がどこにあるか分かっているはず、が大多数の単純な人々−世論
となる−は二枚舌で丸められています。私はその方向でいいと思います。
彼のメッセージを注意深く読むと経済問題に限らず、外交、軍事でもそれ
が見えます。天性の大政治家ですね。吉田茂に近い。話が全く脱線しまし
た。 

日本と欧米の街や自然と人のかかわり方を見ると勿論いろんな違いがあり
ます。大きな違いの一つにウォーターフロント、水辺の景観の活かし方が
あります。日本はへたくそ。江戸時代まではセンスが良かったと思います
が、明治以降は市場経済に人間の魂を売り渡してしまってみる影もありま
せん。海、川、湖、企業と公機関の食い物になっています。  

ほんの少し前までは照明の技―大規模でも小さくても―は日本は下手だっ
た。センスが無いのかと思っていましたが。さにあらずで繊細な和の美意
識で昨今は都市照明でも大分良くなってきました。次は都市景観ですね。
水辺の景観とその活かし方についてもいつか良くなって来ると期待したい
です。具体的には有峰湖の水辺の活かし方ですが、短い文章で書くと差し
障りがあるので、この夏湖畔を訪れたら皆さん、ちょっと考えてみてくだ
さい。といっても「立ち入り禁止」なので水辺へは行けませんね。そのこ
とも含めて考えてみてください。

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◆土壌動物の話し(その11)「ベソッカキトビムシの涙」
   富山県立滑川高等学校 校長 平内好子
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 以前、「陸のプランクトン−トビムシ−」というタイトルで紹介したト
ビムシの続編です。

 現在、日本で記録されているトビムシは約360種ですが、それらに馴染
みやすい和名がつけられるようになったのはごく最近のことです。私が土
壌動物の研究を始めた20年くらい前は、ごく数種類のトビムシにしか和名
がついておらず、その内の一つがベソッカキトビムシでした。

 このベソッカキトビムシ、目が片側に4個ずつ、計8個あるのですが、
4個のうち1個だけがぽろっとこぼれた涙のように離れてついています。
写真をお見せできないのが残念ですが、実にうまいネーミングだと感心し
たものです。
 
 ベソッカキトビムシについて興味深いのは名前だけではありません。新
島渓子さんというトビムシ研究家の調査によれば、東京の都心から郊外へ
向うライン上のいろいろな緑地からトビムシを採集して調べたところ、都
心に向うほどベソッカキトビムシの出現する割合が減少し、全く見られな
い所もあったそうです。つまり、ベソッカキトビムシは、都市化に伴う環
境の悪化にかなり敏感に反応し、姿を消していくのではないかと考えられ
ます。

 ベソッカキトビムシの涙は、今、世界中で起きている森林伐採や大気汚
染など様々な環境問題を憂えているのかもしれません。
ちなみに、有峰のブナやミズナラの林からは、ベソッカキトビムシがたく
さん見られました。有峰はまだまだ安心ですね。
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