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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2009年4月4日 第178号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:658人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第58回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜映画の話〜
◆2009年度(平成21年度)有峰森林文化村行事のご案内
◆私の健康づくり  河原 芳博
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◆オレゴン有峰往復書簡第58回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
   〜映画の話〜
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中川さん。今回も興味深く拝読しました。押してはいけないボタンを押し
ましたね。実は私はかなりの映画ファンでした。

昨秋の高岡滞在中に私も「おくりびと」は観ました。アカデミー賞候補の
ニュース前に見たので、何のバイアスもない私の評価は佳作(か秀作)で
した。私の映画批評は辛口なのでこれは良いということです。

有峰ダムが電力供給をはじめた頃、つまり私が小学校に上がる頃からでし
ょうか、いい映画が来ると父が一家(父母、姉と)を映画に連れていって
くれました。年二三回ですが、それが私と映画との関わりのはじまりです。

当時は、「映画(一つの作品)というものは人生で一回限り見るもの」で
した。私は今でもかなりそうですが…。ところが小学3年生の頃、生まれ
てはじめて「どうしてももう一回観たい」と父にねだりたおして連れて行
ってもらい初めて二回観た映画が一つだけあります。「わんわん忠臣蔵」
でした。手塚治虫原作で宮崎駿の初めての(製作に携わった)映画だと四
十年余り後に知りました。なるほど。

一家で映画館に行ったのは数年の間でしょうか? 中学に入ると映画はも
う友達と行くようになり、そのころ「サウンドオブミュージック」が高岡
でも封切りされ、家族で観に行こうと誘われたのですが。(歌と女子供の
映画=つまらんという先入観で)「僕は観に行かない」と言い。父母姉の
三人で行ったようです。それが最後です。その時の父と母の心中が今はよ
く判ります。

私の中学〜大学時代は山へ行かない週末は映画を観に行っていましたから
月に数本は映画を見ていました。一番よく観たのは東京での会社員時代で、
ちょうど岩波ホールが会社の近くにあり、残業の後でもよく見に行きまし
た。因みに岩波ホールの高野悦子総支配人は魚津高校卒業です。私はへそ
曲りなので最新作や話題作は好きでなく、見るのはどちらかというと社会
派作品が多かったと思います。飯田橋佳作座、池袋佳作座、シネヴィバン
六本木、などで旧作、名作、問題作、海外のマイナー作品(ドイツ映画と
かギリシャ映画とかポーランド映画とか)などを好んで観ていました。
オールナイトで「人間の条件」全6編を見たり、問題作の封切に監督の舞
台挨拶があったり、その場で激しいヤジの応酬があったり、さすが東京と
思いましたね。 ただ、その時代、80年代の日本映画はすでに斜陽時代で
した。

アメリカに来てからは、この地での映画とはいわゆるハリウッド映画のこ
とで、映画はエンターテイメント(=娯楽作品)というのが主流です。 
ニューシネマやたまに社会派風の映画もあります。が、味付けが、なんと
表現すればいいか、醤油+砂糖=テリヤキ。(おいおいそれはちょっと違
うだろう)みたいな口に合わない料理という風です。 

最近観たのは、「イスラエル映画の『戦場でワルツを』。実はこれがアカ
デミー賞外国語映画賞候補の本命でした。偶然の時期の一致なのでしょう
けど、私にはどうしてもこの冬のイスラエルのガザ攻撃との関係を勘ぐっ
てしまい素直には見られません。ああいう極限状態の人間のどうしようも
なさも確かに真実ではあるのだけれど、「おくりびと」に表現される人間
の真実の方が今のアメリカではより求められている。 つまり死を扱って
はいるが俗にいうハッピーエンドの癒しがある。この映画のいわば「テリ
ヤキ味」が審査員達にうけたということでしょうか? 

滝田洋二郎監督の他にも、森田芳光、藤田敏八、根岸吉太郎 神代辰巳 
崔洋一、周防正行など現在活躍する多くの新人監督や脚本家を輩出した
「日活ロマンポルノ」は大げさではなく、今から思うと衰弱しつつあった
日本映画総体の生命維持装置かつアーティスト孵卵機でした。「裸さえ出
てくればどんなストーリーや演出でも何も言われず自由に制作できた」空
気は「モノを創る情熱を絶やさぬこと」と「市場合理性」とを見事に止揚
しました。今の危機的経済状況下でもそれはとても参考になると思います。

映画はアート、エンターテイメント、真実、問いかけ、色んな局面ででき
ている奥の深いものだと思います。黒澤、今村、伊丹、北野、宮崎、周防
そして今回の滝田氏と、世界中の広い年代の人々を振り向かせ、引きこむ
監督たちが次々出てくる日本映画界は世界に誇れると思います。現代の子
供達はもちろん映画も見、ゲームもしているのでしょうが、映画人もファ
ンも一生を通じてはまっていくようなそんな奥の深い楽しみ方を知らない
としたらちょっともったいない気がするのとともに、私にそのきっかけを
作ってくれた父に感謝しています。 

私の場合は「おくりびと」を見ながら母の死去・葬儀のことを思い返して
いました。逝く人と送る人がしみじみと心を通わせる夜のはずの「通夜」
がお葬式並みに盛大?になってしまっていることに大いに戸惑いましたし、
進行係の口上には最初から最後まで飲み下し難い感触を持ち続けました。
「こんなにビジネスライクになってしまっていいのか?」「当事者も参訪
者も世間体や形式に流されている今のスタイルは本意ではないのではない
か?」ということなどを思っていました。

これは私がアメリカでの結婚式(とっても質素です。が楽しいです)と葬
式(簡素です。が参集した人達が故人を偲んで心を通じ合い、思いを共に
する場としみじみした時間とがあります)を何回か経験してきたことが大
いに影響していることは間違いありません。

故人のえにしで参集した誰の人生にもその一度しかない大切な時です。 
私は母の通夜で喪主の挨拶のとき、参列者に断り、棺の母に私のそのとき
の心情で語りかけてしまいました。あとで僧侶と参集者の何人かから「良
かったですよ」と言われてほっとしました。世界の何処にいようと生きて
いれば慶事も弔事もあります。忘れてはいけないものは心ですね。普遍的
なものだと思います。

アメリカの主だった国立公園のビジターセンターにはミニシアターがあり
ます。それぞれの国立公園の解説か、いわばプロモーション映像的な15〜
20分程度の映像が上映されます。
最近見たものでは、アラスカのデナリ国立公園とワシントン州のレニア山
国立公園の映像が素晴しかったです。製作にたずさわった公園職員たちの
愛情が感じられました。

夢のような話ですが、有峰の時間の流れ(谷に人が入り始めた時代からダ
ム建設を経て現代に至る時間軸)立山薬師連山から日本海に至る自然の面、
そして今、このフィールドに去来する人達の姿を配した映像が出来たらい
いだろうなと思っています。それはきっと有峰の自然地誌の紹介にとどま
らず、観る人に視界不良の近未来世代に自然と人間のよい前向きなあり方
をホログラムのように立ち浮かばせるのではないかと思います。
すみません今回はおしゃべりに流れてしまいました。

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◆2009年度(平成21年度)有峰森林文化村行事のご案内
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 平成21年度、新しい年がスタートしました。富山市の松川べりでは桜が
開花し4月4日〜5日の週末に満開となりそうです。
 一方、同じ富山市にある有峰では、まだ1mくらいの積雪がありますが、
このまま温かい日和が続き雪解けが早まり、有峰林道も6月までには開通
すると思います。本当に待ち遠しい限りです。
 春、夏、秋と、それぞれ違った顔(新緑、深緑、紅葉など)を見せてく
れる有峰は、私たちに憩いや安らぎを与え、温かく迎えてくれます。
 今年も多くの行事を予定しておりますので、皆さまには、どうぞ有峰へ
お越し下さい。皆さまのお越しを心からお待ちしております。

<主な行事>
 6月6日(土)〜7日(日) 山開き歓喜の集い
 6月10日(水)〜11日(木) 春の恵みの集い
 7月4日(土)〜5日(日) 有峰村民・村仕事の集い
 7月18日(土)〜19日(日) 有峰わくわく自然探検
 8月8日(土)       有峰森林文化村祭(未定)
 8月29日(土)〜30日(日) 俳句の会
 9月12日(土)       愛着の森調査編(冷タ谷)
 10月14日(水)〜15日(木) 秋の恵みの集い
 10月24日(土)〜25日(日) 山じまい感謝の集い

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◆私の健康づくり  河原 芳博
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有峰での臨時雇用を終え、昨年11月に自宅に戻りましてから、いつものよ
うに散歩を始めました。コースは庄川堤防を歩く1時間コースです。堤防
から見える薬師岳は日々表情を変えてくれます。3月28日の眺めは雪化
粧している姿です。

日々、薬師岳を見ていると、薬師と話ができるようです。「今日は元気だ
よ!寂しいんだよ」という具合に語り掛けてくれます。「元気だよ」と言
ってくれたときは、こちらも薬師と一緒に元気になりますし、「寂しい」
と言ったときは、こちらも涙が出そうです。

40代後半のとき、食べ過ぎと運動不足により体重が80kg近くまで増え
ました。息切れそして圧迫感が襲ってきました。掛かりつけのお医者さん
曰く、「体重を落とすしかないですよ!」。というわけで、血液検査で全
ての検査項目がオーバーフェンスになってしまいました。

そこで何とかスリムになろうということで、以来5年間は、朝起きてから
毎日歩きました。大阪にいるときは新大阪の駅まで歩いておりました。
3年目を過ぎたころ体重が減り70kgまでになり、検査の数値も基準値の
限度内になってきました。お陰で体調もよくなり、曲がりなりにも10年
間、歩き続けてしまいました。

歩き始めの頃は、周りを見る余裕がありませんでした。ある時期から周囲
を見ることができるようになり、空、山、林、鳥などの景色が私に和みを
与えてくれることを実感できました。

有峰においても同様に歩いておりました。有峰の四季を五感で感じ、有峰
の自然の豊かさを堪能することができ、有峰には感謝の気持ちで一杯です。
6月の立金花は見事につきます。

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