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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2008年9月20日 第164号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:632人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第44回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
  〜森をささえるもの〜
◆「山じまい感謝の集い」参加者募集
  〜紅葉の有峰を皆で満喫しましょう〜
◆「第6回有峰俳句の会」吟行作品
◆8月に寄せられた俳句
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◆オレゴン有峰往復書簡第44回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
  〜森をささえるもの〜
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ヤナギランの花が綿毛にかわり、有峰に行く日が次第に近づいてきたこと
を私に教えてくれます。 そう、あの「愛着の森」へ出かける日を

この数十年、日本の森林、特に国有林がたどってきた道のことを中川さん
はご存知でしょうか? 
日中戦争から太平洋戦争の間は、日本の山林は軍事予算捻出の為に伐られ、
防空壕などの国防資材の為にもまた伐られました。森林官が立てた森林計
画なんか一顧だにされずに総ては大きな国策つまり「お国のため」でした。
山林(やま)の手入れをするべき壮丁は徴兵され山は荒れました。
焦土の戦後は住宅建築資材供給の為にますます伐られます。 日本の経済
が復興期から高度成長にかけての時代は「国有林野特別会計」 莫大な木
材代金は国庫収入に納められました。当事の国有林は貧しかった国の予算
の頼もしい収入源でした。「随意契約」という名の下に特定の地元木材企
業にずっと安い安定した木材を蜜のように供給しつづけて大いに伐採され
ました。
戦後のこれもお国の為と呼ぶべきなのでしょうか、とにかく寄ってたかっ
てしゃぶりつくされたこの国有林の展開はフィリピンやエチオピアのレベ
ルとさして変わりません。
今は、もう北海道も東北も、北陸も、全国何処を見回しても金になる国有
林はほとんどありません。金目の山林がおおかた伐りつくされた後の「国
有林野事業」は「米」、「国鉄」と並んで国の「3K」赤字事業として
「やり玉」に挙げられたのでした。 国にとって「お荷物」であると。合
理化で人手が削られ削られ、森林作業員も高齢化した今でも(ますます)
お先真っ暗です。
いっそ総理職のように「もう、やめてしまえ」と放り出してしまったらど
うでしょうか?
残っている木を全部伐って赤字を埋める。土地も入札で民間に払い下げる。
職員は全員解雇する。林野庁もなくす。「国有林野」の清算です。 赤字
の悩みは無くなります。

そのあとはどうなるでしょう?
夏場、渇水する地域がでてきます。農業用水も、工業用水も、もちろん生
活用水も。「水」が凄い高値で取引されるようになるでしょう。家では雨
水を溜めて濾過して沸かして使うようになるかな? 燃料代がかさみそう
ですね。
さらには、ちょっとした雨で水害が頻発するでしょう。山は自然の法則に
従って平らになる日まで崩れていきます。ほおって置けない土砂崩れを防
ぐための莫大な費用の治山工事、砂防工事が必要になる。土建業者にはう
れしいですけどね。ダムはみるみる土砂で埋まってしまい発電量が激減し
ます。電気代が上がる。 河川の水系の有機物が減って沿岸に魚が寄らな
くなる。漁船はますます遠くまで漁に出なければならなくなる。重油代は
どうなるの? 雪崩も防げなくなる。冬場の鉄道も道路も寸断されます。
復旧に莫大なお金がかかります。第一危ないです。 もちろん森林による
炭酸ガスの固定は見込めなくなるからCO2の排出権を他国から買わねばな
らない。 戦時下にある国と変わらないような変化と出費を強いられるこ
とになります。おそらく国有林を維持する〜数十倍の出費を余儀なくされ
るでしょう。
幸い、そこまで経済性(経済合理性ではない)だけに走る近視眼的な政権
はありませんでしたし、多分これからもない。(と願っています。)
この話はもう少し続けたいと思います。

追伸:
以下は以前、大学の同窓会報に寄稿した拙文の一節です。
「 …21世紀の経済の海はどの国のどんな産業も波で洗っていく。波で洗
われたからといって自分達の国土を、山(林)を荒らされていいものでは
ない。
…日本の山林のありようはつまるところ、己らが民族の棲み、治める山野
への愛着の多寡の表れではないか?」(H11.11.10 各務同窓会報)

その当時、期せずして私も又「愛着」という言葉にたどり着いてたんだ。
と、たった今気がついた。

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◆「山じまい感謝の集い」参加者募集
  〜紅葉の有峰を皆で満喫しましょう〜
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 恒例の「山じまい感謝の集い」を10月25(土)、26日(日)に行います。
 有峰林道の閉鎖まで2ヶ月足らずとなりました。8月のお盆前までは晴
天が多く大変暑い日が続きましたが、お盆以降はぐずついた日が多く気温
も低く推移したようです。今の有峰は朝晩めっきり涼しくなり気温が12〜
13度という日もあり、紅葉が始まってきたようです。
「山じまい感謝の集い」の頃は、紅葉真っ盛りだと思います。多くの有峰
村民で有峰の森に感謝の気持ちを捧げたいと思いますので、多数の皆様の
お越しをお待ちしています。

1 目的  有峰の森の恵みに感謝し、有峰村民との交流を深める。

2 主催  社団法人富山県農林水産公社 

3 実施日 平成20年10月25日(土)から26日(日)

<10月25日(土)>
13時     有峰ビジターセンター集合
13時10分 自家用車で折立へ向かう
13時30分 折立駐車場到着 跡津川断層視察
14時30分 折立(又は冷タ谷)遊歩道散策
16時30分 有峰ハウス(折立へ車を取りに行く)
17時 有峰ハウスチェックイン、自由時間、入浴
18時      夕食
20時      語り部講「もう一つのアメリカ ー 日本には紹介されて
いない自然景観」
        エコキャラバン エコ・ツアー コーディネーター
 小杉 礼一郎 さん

<10月26日(日)>

6時30分 もちつき、お供え(有峰大助)、朝食
9時    お供え(慰霊碑、展望台、お墓、冷タ谷湖畔、薬師太
郎・花子)
11時30分 一年の振り返り
12時   解散

4 対象者    有峰村民(定員25名)

5 参加費    4,850円 

6 必需品 水筒、保険証のコピー、雨具、長靴、長袖・長ズボン・
帽子(色は、ハチの被害を避けるため黒いものは避け
る)、軍手、雪模様のときはスノータイヤ、参加費

*有峰ハウスには、ゆかた、丹前、歯磨きセット、フェ
イスタオル(バスタオルはありません)、ドライヤー
があります。

7 申し込み、問い合わせ先
住所・氏名・性別・年齢・電話番号を記載して平成20年10月18日(土)
  まで(必着)に申し込んでください。

  郵便930−1458 富山市有峰
   社団法人富山県農林水産公社有峰森林部「山じまい感謝の集い」係

(1)電子メールinfo@arimine.net

(2)電話 076−481-1758 担当 荻沢

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◆「第6回有峰俳句の会」吟行作品
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8月30日(土)、31日(日)に開催された「第6回有峰俳句の会」の作品
を紹介します。

〔講師吟〕
冬苺とて兎らに残し置く           中坪 達哉

〔入 選〕
地の色に染まる茸を踏みもして        内山 澄子
樹幹流光の筋となりにけり          菅野 桂子
山荘の雨音高し柳蘭             石黒 順子
冷タ谷狭霧の湖を右ひだり          太田 賢
ひと叢(むら)の勢(きお)ひて高き秋薊(あざみ) 小澤 美子
猿待つを知らで採りけり青葡萄        勝守 征夫
含みたき清水や息を鎮(しず)めたく      練合 澄子
みづうみを煽(あお)りて秋の風なりし     大井 孝行
朴落葉葉うらに結ぶ雨滴(あましずく)     金森 める子
朽(く)ちる山毛欅(ぶな)茸従えなお威厳    栗島 靖子
東谷秋色(しゅうしょく)深きただ中に     荻沢 明夫
枯木立歴史を語る秋の湖           水野 博之
(東谷)
奔流ぞ夏の名残を轟(とどろ)かす       北見 健
樹木から雫止まざる森の秋          山本 章広

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◆8月に寄せられた俳句
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 有峰村民の方々から俳句ポストに寄せられました8月のよい句を中坪達
哉さんに選んでいただきました。これからも優秀な作品を毎月掲載します
ので、有峰へお越しの際はビジターセンターへお立ち寄りいただき、俳句
ポストに投稿してください。

8月の「俳句ポスト」入選作品    中坪 達哉 選

夏の陽に透きし栃の葉そよぎけり   新田 美千代(朝日町)
雷雲の去りたる森の緑かな      荻沢 明夫 (富山市)
猿の群れ折立目指す夏の朝      河原 芳博 (砺波市)
みづうみを夏も去り行く雲流れ      同
一人行く林道いよよ霧深し        同
たちまちに濡るる山路や秋の雷    大井 孝行 (富山市)

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皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載しますので、どしどし投稿
ください。お待ちしております。
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