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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2008年1月26日 第147号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:609人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第29回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
〜心象風景 と 実風景の あいだ〜
◆ネズミのはなしA  富山県立大沢野工業高等学校 末上麻衣
   〜有峰で出逢ったカップルに赤ちゃん誕生!
◆有峰村民からのお便り 石川たかね(立山町)
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◆オレゴン有峰往復書簡第29回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
〜心象風景 と 実風景の あいだ〜
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中川様  有峰村民の皆様
往復書簡二回目の、あけましておめでとうございます。

人々の思い出のど真ん中に立つ五鹿屋小学校のもみじ。いい話ですね。
一本の樹、一つの命が多くの人の心に根を張っているのですね。

今、バージニア州の古都リッチモンドでこれを書きはじめています。明日
オレゴンへ帰ります。
今日は雪のアパラチアン山脈を抜け途中ブルーリッジ・マウンテンの稜線
を越えて来ました。 ♪"Country road, take me home, to the place I b
elong ..."♪ あの「カントリーロード」(byジョン・デンバー)に歌わ
れているブルーリッジ・マウンテンです。

"昔、それはいったいどの辺りだろう?と調べたことがある。コロラド?
ワイオミング? 歌の出だしでウエスト・バージニア(東部)だと言って
いるのに、ずっと西部だと思っていた。歌の場面の、シェナンドー・リ
バーはいずれもワシントンDCのすぐそば。え? いかにも西部風の歌じゃ
ないか?と思う向きも多いだろう。そう。これは「西部」を歌った歌だ。
ただし、それはアメリカ建国当初の13州の国土から見たもので、当時はア
パラチアン山脈を越えるとそこから西が未開の「西部」だった。"
これは06年に『ノースウェスト自然探訪』に書いた拙文です。
http://www.youmaga.com/odekake/eco/2006_2.php


 心象風景。それは心の中にある、目を閉じていても見える景色、思い出
であったり、未知の国のことであったりします。今、これを読んでいる皆
さんのほとんどはディスプレイ上の文字を見ていると思いますが、それぞ
れの心象風景で、有峰の景色、校庭に立つ一本のもみじ、ブルーリッジ・
マウンテンが浮かんでいるでしょう。よくよく考えてみると、私たちはほ
とんど実風景より心象風景に基づいて感じたり、考えたり、判断したりし
ていますね。よきにつけ悪しきにつけ、人にとって心象風景とはほとんど
世界そのものなんだなあ、と今思っています。

 たとえば『さくら』これだけで日本人はある心象風景を共有しています。
そしてもう一つたとえるなら、故郷の景色(の一部)が失われることはそ
の人の心にとって生身の体の一部を取り去られるような心の痛みと寄る辺
なさを感じさせる出来事でしょう。人の世は、それぞれに日々の糧を得る
営為が先ずある一方で、ややもすると無常な現実(=実風景)の流れの中
で心に根を下ろしているその人なりの、あるいは共同体の心象風景を保と
う、守ろうとする行為で織り成されているとも言えるのかもしれませんね。

 ずっと私が気に留めていることの一つに、バーチャルとリアリティの橋
渡しがあります。特に今の子供たちの世代に対して、親の世代はなにがし
かまだ教えていない、大事なことがあると(私も一人の親として)かねが
ね思っているのです。イマジネーションは人間に備わった特性ですけれど、
実世界に足がついていてのものだと思います。

 そんなことを考えていると、『愛着の森対話編』は改めて素晴しい企画
だと思われます。人々の心にそれぞれの有峰の風景があり、そこに今立っ
ている樹がある。瞼に焼きついたその木の根が人々の心象風景にそれぞれ
に根をはっていく、心象風景と実風景、一人とみんなの心に橋を架ける営
みそのものではありませんか。

大乱の予兆で始まった2008年、世界がどうなっていくか皆目見当もつきま
せん。
遠離一切顛倒夢想を肝に銘じ、本年もよろしく。


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◆ネズミのはなしA  富山県立大沢野工業高等学校 末上麻衣
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 古来、ねずみは商売繁盛・家内安全・五穀豊穣、そして多産なことから
子宝や子孫繁栄の象徴とされてきました。そんなねずみ年の2008年元
旦、めでたいかな有峰で出逢ったカップルに赤ちゃんが生まれました。

 昨年10月の「ありみね高校生学びの森」で、生徒が計測できるように
と有峰ビジターセンターの方が3匹のヒメネズミを捕獲しておいて下さい
ました。そのうちの2匹は秋生まれの幼獣であったため種の同定が難しく、
しばらく飼育し成長を待って同定することとなり、富山市内の我が家にや
ってきました。

 そう、有峰で出逢ったカップルとは、この2匹のヒメネズミたちの事な
のです。ノネズミにしては暖かい環境のもと、幼かった2匹はまたたく間
に成長し、そして恋に落ち、やがて赤ちゃんが・・・。

 ヒメネズミは、土中で出産し子育てを行います。ママネズミも今は気が
立っており、また子育てに大忙しなのでなかなか姿をみせず、赤ちゃんに
も会わせてもらえません。初めての出産であり、飼育下での育児ですから
どうなるやらという心配をよそに、立派にママをしているようです。姿は
見えませんが「キューキュー」と元気な鳴き声が聞こえてきます。

 赤ちゃんは10日をすぎたくらいから毛が揃いだし、目が開きます。早
い子では20日ほどで巣立ちます。雪が溶けるまではケージで我慢しても
らうことになりそうですが、有峰に帰ったらまた素敵なネズミと出逢って、
恋をして赤ちゃんを産んで・・・有峰の繁栄に励んでほしいと思います。

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◆有峰村民からのお便り 石川たかね(立山町)
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 前号に掲載した赤座久明さんの「ありみね高校生学びの森」ねずみの話
の記事につて、有峰村民 石川たかねさんから感想が寄せられましたので、
紹介します。


 有峰森林文化村新聞をいつもありがとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。
 「ありみね高校生学びの森」の赤座先生のネズミの話、とても面白かっ
 たです。

 高校生たちが、どんなに目を輝かせて学んだことでしょう。
 知らされた私たち大人もおおいに刺激を与えられますね。
 大人もやってみたいような、もう一度いきいきとした、心を取り戻した
 いような気持ちになります。
 植物の話などもお知らせくださるとうれしいと思います。

(追記)
 去年、高校生学びの森での冊子を拝見しましたが、生き生きとした高校
 生の目の輝きが見えるようで、感激しました。
 できることなら、彼らが感じたことを、この新聞に載せていただけると、
 もっと多くの人へ伝わるのではないかと思いました。
 自然って、こんなにすばらしいのよ。ということが。

 夏になりましたら、また、お会いできるといいですね。
 では、スタッフの皆様もお体ご自愛くださいませ。

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