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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2007年12月29日 第145号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:608人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第27回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
◆愛着の森対話編第18号の記録「のぞ木」
◆有峰村民からのお便り
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◆オレゴン有峰往復書簡第27回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
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蛇玉のこと
「あれはSexじゃなかったですか?」
有峰から帰る車中で中川さんはそう訊いてきましたね。
前日に猪根山遊歩道で見た蛇玉のことです。
「いや。俺が覗いたときは数匹の頭が見えて絡み合っていたからね。あれ
は交尾じゃなくてやっぱり暖めあってたんだと思うよ」と私は答えたけれ
どずっと引っかかってました。

 オレゴンに帰ってある秋の夜長、ナショナルジオグラフィックジャーナ
ル日本語版のバックナンバーを見ていると「選ばれる牡の条件」という記
事の中でアナコンダの交尾が写真とキャプションで紹介されておりました。
曰く「アナコンダは乱交がお好きだ。一週間続く交尾で、雌は10頭もの雄
と体を絡ませ、複数の雄の精子を受け入れる。それによって繁殖の成功率
を高めている」(03年7月号)。

 引っかかりが疼きだしました。「蛇玉」のことを聞いたり読んだことは
あったが実際に見たのはあれが初めてでした。貴方の言うように実はあれ
はヤマカガシの交尾だったのかもしれない…。安直にネットで調べました。
知りえたことは、「ヤマカガシは秋に交尾する。」と、そして「性質はお
となしい蛇」とも。(シマヘビのように気が荒いのかと私はずっと誤解し
ていました)蛇玉のことについては何一つ判らない。そして思いました。
私(達?)はほんとに自然のことを知らない。交尾は一対一というヒト科
の固定観念で決めつけていたおのれを愧じました。

 中川さん、気になります。この際、有峰人脈?であそこのヤマカガシの
生態に詳しい人を探し出して、あれが実際何だったのか?是非調べて教え
てください。
ヤマカガシの毒について知られるようになったのはほんのこの2-30年のこ
とです。ヒトとヤマカガシは同じ日本列島の山野に何千年来一緒に棲んで
いるでしょう?ヤマカガシが毒を持つというような話だったら大概言い伝
えられてきていると思うのですが。私たちは身の回りの自然に対してすら
存外知らないのだなあと改めて思った次第です。だからヤマカガシの生殖
生態について有峰から新しい知見が広がるかもしれません。

 ところで、自然界の生殖のメカニズムを見るとそれはそれは面白い。戦
い、示威、追従、工夫、捨て身、乱婚 仔殺し ハーレムに一妻多夫…な
んでもありの世界です。グリズリーの雌は短い夏の間何頭かの雄と交尾し
て翌春に2-3匹の仔を産むし。人間に一番近いチンパンジーも乱婚だそう
です。(「倫理」不要の自然界に昨今のヒト科は近づいているのでしょう
かね?)

 あの日の朝、唐尾峠へ登る道すがらでも立派なヤマカガシを見ましたよ。
一つ判ることは、彼らがいるということは蛙がいる。蛙がいるということ
は虫がいる。そしてクマタカもヤマカガシを捕食できる…。全地球規模で
蛙の種も生息数もへりつつあるそうですが。有峰は下界の田畑のように農
薬にまみれることなく太古以来の健やかな食物連鎖(自然生態系)が保た
れているということですね。

 オレゴンの蛇のことを少し書きましょう。
オレゴン州の面積は結構広いのです。(本州+四国+九州)が、北(ポー
トランドは稚内と同緯度)だからか蛇を含め生息する爬虫類の種類は日本
に比べると少ないと言えます。アメリカを代表する毒蛇のガラガラ蛇=英
語名もそのまんま"ラトルスネーク"。これはオレゴン州に居ります。但し、
州を東西に二分する、つまり南北に連なるカスケード山脈の東側、内陸の
乾燥地帯にです。(西部劇に出てくる景色をイメージしてください)私の
住んでいる所は山脈の西側の森林地帯で、こちらには棲んでいません。こ
の辺で最もよく見かけるのはガータースネークという小型で無毒のおとな
しい蛇です。映画インディジョーンズで少年時代のインディがサーカスの
蛇箱の中に落ちるあのシーンの蛇です。我が家の周りにもたくさん居ます。
地面に置いておいたシートの下なんかに何匹ももぐりこんでいますが晩秋
でも冬でも蛇玉になっているところは見たことはありません。

 10月に高岡の父が当地へ来た時に、市街の公園で縞フクロウがこの蛇を
捕まえて飲み込むまでの一部始終をほんの数mの近さで見ました。それに
してもあのフクロウ、よっぽどお腹が空いていたんでしょう。昼間でした
のに大変運が良かった。

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◆愛着の森対話編第18号の記録「のぞ木」
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1 木の名前 のぞ木

2 場所   西谷入口から徒歩10分

3 種類   ミズナラ(胸高のところに大きな穴がある古木)

4 調べた人 小林 淳子(1回目)、中川 正次(2回目)、小林 淳子(3回
目)

5 調べた日 2006年10月3日(小林)、2007年6月3日(中川)、
   2007年10月3日(中川)

6 天候   曇り(小林)、晴れ(中川)、晴れ(中川)

7 どうして、この木に興味をもちましたか?

  雷か何かの衝撃で幹が真っ二つに割けていました。でも生きている。
  生きようとしているのか天寿を全うしようとしているのか分からない
  けれど、生を強く感じ、心ひかれました。(小林)。

8 この木のそばで口ずさみたくなる歌は何ですか?

  中島みゆきさんの「ファイト」の中の歌詞
  「ファイト!闘う君の唄を闘わない奴等が笑うだろう ファイト!冷
  たい水の中をふるえながら のぼってゆけ」という部分(小林)。

9 この木を見て、気づいたことや感じたことを自由に書いてください。

 @有峰の森を散策しているだけなのに体の力が心地よく抜けていくのが
  分かりました。自然の力なのでしょうか・・・ 案内をして下さった
  方々の言葉が心に響きました。「お金とは無縁の贅沢」「森には力が
  ある」「偶然は必然」「遺伝子が喜んでいるような気がする」「五感
  で楽しみたい」(小林)

 A山開き歓喜の集いの中で、のぞ木の様子をみんなで見に来ました。
  穴のあいた部分はいつになったら、バタンと落ちるのでしょうか。谷
  側の元気な部分で光合成をして下の根から水と栄養をもらうことによ
  って穴のあいた部分は朽ちていく、あるいは虫にやられるのを食い止
  めているのでしょうか。のぞ木のところから顔を出してカメラに納ま
  った人は長生きできるかも。小林さんを早くお連れしたい。(中川)

 B唐尾峠を目指して歩いている。みんなはとても元気。この先、しんど
  いことがあることを知っているのは、私と田口2人だけ。のちの沢を
  渡ったすぐ先とその又先に危険な地帯がある。事故がないことを一人
  祈りながら歩いている。来年は、愛着の森調査編の西谷の番である。
  どうなっているか楽しみである。(中川)

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◆有峰村民からのお便り
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 前号で紹介した愛着の森対話編(第17号の記録)豊穣の樹の命名者であ
る山内智子さんから、有峰森林文化村に感想が寄せられましたので、紹介
いたします。

 有峰森林文化村御中 

 愛着の森対話編第17号の記録 豊穣の樹を読み、記録した日々のこと
を思い出してしみじみしています。
 ところで、地球温暖化は止まる気配もなく、12月になっても雪が降り
ませんね。有峰の森をすっぽり包むほどたくさん雪が降って、大事な水資
源を雪の形で蓄えるシステムがすばらしいのですが…。1月と2月に期待
します。
 来年もブナとミズナラとトチの森に会いに行くのを楽しみに、冬ごもり
します。
 村民 山内智子
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