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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2007年12月15日 第144号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:608人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第26回目 有峰からオレゴンへ 中川正次
◆愛着の森対話編第17号の記録 豊穣の樹
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◆オレゴン有峰往復書簡第26回目 有峰からオレゴンへ 中川正次
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好きな森を見つけること、地球全体を想像すること、自分の心を見つめる
こと

今日は、小杉さんの話を受けて、稲本正さんのことを書きます。有峰森林
文化村がやってきたことに、稲本さんは大きなヒントを与えてくださいま
した。私は、稲本さんの本をほとんど読みました。講演も5度くらい聞き
ました。お会いしてお話したことは3度あります。

最初に読んだ稲本さんの本は、「森の惑星」です。稲本さんが世界の森を
歩いた報告です。次に、「森の旅森の人」を読みました。こっちのほうは、
日本国内編。これらを読んで、私が思ったことは、私にはこんなたくさん
の森を見て歩くことなんてできないということです。稲本さんにしたとこ
ろで、日本と世界をそれぞれ20箇所内外を取材で歩かれたに過ぎません。
考えてみれば、富山県内の森をくまなく全部を知っている人すらいないだ
ろうと思います。そうした経験から、どのような森林観、地球観、自然観
を紡ぐか。

一般の人にとって大事なことは、自分の好きな森を見つけること。

以下は、北日本新聞2005年8月13日の「とやま自然元気大学」の広告の中
で、私が書いた文章です。

有峰森林文化村を構想し始めたころは、「有峰を県内のほかの森と比べて、
どうちがうのか押さえよう」と考えていました。もちろん有峰の特質を挙
げれば、挙げることはできます。しかし、最近は、そういった比較主義で
は、本質に迫れないと思っています。

大沢野町出身で、現在は岐阜県でご活躍中の稲本正さんは、「あなたの好
きな森とあなたの好きな木を最低一つ、日本のどこかに決めてほしい。そ
して時々会いに行ってほしい。きっと人生が豊かになるだろうから」と書
かれています。

有峰は、県立自然公園です。国立公園があって、国定公園があって、県立
自然公園があります。有峰は、立山・黒部から見れば、格が落ちると考え
るのが普通です。世界はいうまでもなく、日本の森、いや住んでいる県の
森の全部を比べて、どれが一番好きかどうか決めることは不可能です。結
婚相手を、日本中のあるいは、地球上の異性の中から選べないのと同じで
す。

知り合いに誘われて、自分の住んでいる所から近い森に出かけて、その森
を好きになる。そのような見合い結婚、職場結婚のような感じでよい。ブ
ランド志向もランキング主義もいらないと思います。

白神山地、尾瀬、白山、四万十川、屋久島。これらの森が大事だと言われ
ても、その水を飲んでいない、その山が見えないところでは、ぴんときま
せん。富山県に住む人が、富山平野から女性的な薬師岳、旗が翻っている
ような鍬崎山を見るたび、有峰はどんな様子かなあと思いをつのらせる。
そして年に一度は、会いに行く。そういう森へのかかわり方こそ、無理が
なく、さらに地球環境が心配でならない今日にあって最も力になるのでは
ないでしょうか。

記事は、以上です。

自分の好きな森をみつけることは、地球全体のことを想像することにつな
がる。さらに、ベクトルが転じて、自分の心を見つめることにもつながっ
ていく。稲本さんの本に触発されて、私が気付いたことです。

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◆愛着の森対話編第17号の記録 豊穣の樹
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 愛着の森対話編については、有峰森林文化村新聞第82号、103号、107号
で紹介していますが、今年初めて有峰村民になられた方もおられますので、
少し説明いたします。

 有峰森林文化村では2004年度から愛着の森事業を実施しており、初年度
は調査編(3年毎に木の種類、位置、太さ、高さを測定し、森の経年変化
を調べ、地図に記録することにより森への知識が深まるというもの)、
2005年度からはドングリ育て編(有峰でドングリを拾い家庭で苗に育て森
へ返すもので、子供たちは、水やりなどの世話をしたドングリが芽吹くと
きの感動を覚え、森の息吹に触れ命の循環を学ぶというもの)、2006年度
からは対話編を加え事業内容の充実に努めています。

 対話編は、自分の好きな木などを決めて写真を撮り、長期(20年以上)
にわたってアルバムとして記録していくものです。アルバムには写真だけ
でなく、木などを見て感じたことなども記録しますので、物心両面での定
点観測をすることになります。愛着の森対話編を通じ、森を見つめて自分
を見つめ直すよい機会になればと思います。

 現在、25件(木20、森1、川2、苔1、道1)が登録されています。
 皆さんも、愛着の森事業に参加して、森との対話を楽しみませんか。


<愛着の森対話編第17号の記録 豊穣の樹>

1 木の名前 豊穣の樹

2 場所   猪根山遊歩道、有峰ハウス裏入口から60分

3 種類   大きなトチの木(胸高直径120cm)

4 調べた人 山内 智子(1回目)、中川正次(2回目)、山内智子(3回目)

5 調べた日 2006年10月9日(山内)、2007年6月2日(中川)、
2007年9月23日(山内)

6 天候   雨(山内)、曇り(中川)、晴れ(山内)



7 どうして、この木に興味をもちましたか?

  猪根山遊歩道を初めて歩き、雨の中のブナの森を感動しながら歩いて
  いて、森をぬけたところで、最後に、今までに見たことのない大きな
  美しいトチの木を見つけ、その姿に圧倒されたから(山内)。

8 この木のそばで口ずさみたくなる歌は何ですか?
  You raise me up(山内)

9 この木を見て、気づいたことや感じたことを自由に書いてください。

 @最初に見たとき、その大きさ、枝や葉をつけた全体の姿がパーフェク
  トの美しさで、少し紅葉した葉っぱも美しく見とれてしまった。近づ
  いてみると、幹も太く(大人3人で一周)樹齢数100年を生きて、ま
  だ多くのトチの実をつける生命のエネルギーに圧倒された。堂々とし
  た存在そのものが、太古からの大自然の力や母性を感じさせる立派な
  木だと思った(山内)

 A山開き歓喜の集いの中で、豊穣の樹の様子をみんなで見に来ました。
  猪根山遊歩道の下りのうち、後半部分は大きなトチノキシリーズです。
  最初は腰の曲がったまあまあ大きなトチノキ。次は私が百済観音と名
  を付けているトチノキ。おっぱいが2つありキャミソールを着た女性
  を思わせます。上がなくなっています(風、雷?)。次は、豊穣の樹。
  私の見たところ、有峰でいちばん花が咲いています。インターネット
  で調べたら、雄花と両性花があるそうです。実に不思議です。他にも
  こんな植物があるのでしょうか?(中川)

 B猪根山遊歩道をゆっくり歩いて、ガスがかかった幻想的なブナの森を
  ぬけるとトチの群生に再会した。今年も、大きな幹の緑の濃い大きな
  葉に圧倒されたが、なんといっても、たくさんのトチの実が一面にし
  きつめられていて、自然の恵み、生命の営みに感銘を受けた。豊穣の
  樹という名前がピッタリだったと思う。今年もこの樹に会いに来るこ
  とができたことをありがたく思う。今回、一緒に来てくれた中川さん、
  南部さん、裕美ちゃん、大事な時間を共有してもたって幸せでした。
  ありがとう(山内)
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