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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2007年12月1日 第143号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/荻沢明夫
(発行日現在の有峰村民人口:608人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オレゴン有峰往復書簡第25回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
〜オークビレッジの稲本正さん〜
◆有峰の冬休みについて 富山市大山総合行政センター農林商工課
◆11月に寄せられた俳句
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◆オレゴン有峰往復書簡第25回目 オレゴンから有峰へ 小杉礼一郎
  〜オークビレッジの稲本正さん〜
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 今日は終日雨でした。オレゴンはこれから雨の多い冬に向かいます。
こちらからの前(第23回)の書簡の日付が違ってました。10/2/07 でなく
10/8/07でした。この日は体育の日(月曜だから或いはその振り替え?―
昨今の日本の休日について詳しくありません。―)でしたが、オークビレ
ッジは開いており稲本さんとスタッフの方とお会いしました。木工所では
メンバーが作業をしています。ショールーム、工房、桟積みの木材置き場、
木材の高周波減圧乾燥機などを見せて頂きました。 私の冬場の仕事(北
米広葉樹丸太の買い付け)はオークビレッジとも関係があるのですが、そ
れは口実で、この日の私は稲本さんに会いたくて出かけたのでした。 

 実際オークビレッジで作る家具類はそのほとんどが国産の広葉樹材を使
用しています。丸太はテーブルの天板や側板などのサイズに製材されたあ
と桟に積まれ充分に乾燥されます。工房の木材倉庫にはギッシリと材料の
在庫が積まれていましたが、これまで内地に広葉樹材を供給してきた北海
道の山林はすでに天然の優良大径木の資源は次第に枯渇しています。今後
は二次林が伐採される。この工房でも数年のうちには国産材の他に米中露
等の外材も使われるようになるのでしょうか。

 オフィスの前庭に北海道のミズナラと北米から持ってきたというオーク
の若い木が並んで育っていました。『何オークでしょうか?』と尋ねられ
たので「たぶんレッドオークだと思いますが…」と答え、「念のため」と
言って葉を一枚貰ってオレゴンへ戻り図鑑で確かめたところやはりそうで
した。 オークビレッジを訪問する機会がありましたらご覧になってくだ
さい。このレッドオーク、ミズナラの三倍の早さで成長しております。 

 ショールームに戻ってから喫茶部?でコーヒーをご馳走になりながらと
くと話をしました。私が「先週有峰にいました」と話しましたが、それに
たいして二言三言話が出た筈ですがすみません覚えていません。木のこと
を巡って話しているわけですけれど、それは世界中の森林の話であり、社
会の話であり歴史の話なのです。初対面なのですが次から次ぎそれこそ山
のように話しをしました。

 私の父はシベリアで抑留中に落葉松の伐採作業をしていた。と話をした
ら稲本さんのお父さんも抑留体験者だとか、そして「ウラル山脈近くへ送
られた捕虜などは強制労働そのものが目的で伐採作業をさせられていた。
使う当てのない木を大量に伐り出して、そしてそれらの木が湖や川の底に
沈められた。今も残っているよ。これがそう」と言って稲本さんの書いた
本の写真を見せてくれました。延々と折り重なった湖底の木… 飛騨の山
中で世代と、時空を超えてつながっている木と人の縁を見ている想いがし
ました。 話は温暖化のこと、アメリカのエネルギー政策や来年の大統領
選挙のこと、バイオエタノールの登場で地球規模の貧富格差と飢餓の問題
が一挙に出てきたこと、など尽きません。植物、ことに木材の利用につい
てはセルロースの分解の方法は確立できたが問題はリグニンだ。「これは
化学的ではなく「超臨界」で物理的に分解するのがいい」と、やはり物理
学者の片鱗が覗えます。 稲本さんは話題が豊富でとにかく面白い。話し
ていると時間が経つのを忘れてしまいます。二人の息子さんはそれぞれア
メリカの西海岸と東海岸で活躍しているそうです。

 私は林学出身で、同窓も実社会でも木材関係の人と接することが多いの
ですけれども、木材関係の仕事はどっちを向いても斜陽で気が滅入る話が
多いのです。例えば大きな節を巻き込んだ樹は流通段階では欠点材として
ミソクソに扱われます。オークビレッジの人々はそんな木のそこをキャラ
クターとして切り出して、その良さを好いてくれるへ人の家具として作り
あげ、渡すのです。私も存分に知ってきたあれやこれやを一切はねのけて、
こんなに楽しく前向きに木と取り組んでいる業界人?と本当に久しぶりに
出会い、私はなにか嬉しくなってしまいました。もしや稲本さんを育んだ
水は有峰水系か?と思いましたが、コンピュータって便利ですね、大沢野
は神通水系だったようです。

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◆有峰の冬休みについて 富山市大山総合行政センター農林商工課
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 去る、11月3日(土)に鍬崎山へ登りました。
 当日は非常に天気がよく、放射冷却で頂上付近の草や木の葉は白く霜が
ついており、冬が間近なことを物語っていました。
 頂上付近は若干の雪がありましたが、360度の視界は絶景でした。
 立山カルデラや薬師岳、鉢伏山そして富山平野が若干くすんでいました
が、全て一望、有峰湖の宝来島も見ることができ、まさに感動もの、頂上
で飲んだビールの味は格別でした。

 さて、去る11月12日をもって有峰林道は冬季閉鎖となり、有峰は冬休み
に入りました。
 昨年の冬は暖冬で積雪が少なく暖かい冬でしたが、今年はどんな冬にな
るのでしょう。
 カモシカ・ニホンザル・ツキノワグマなどの動物達やブナ・ミズナラ・
トチノキなどの樹林も来年の雪解けを待ちながら新たな活力を蓄えるため
に冬ごもりにはいります。
 今年は積雪が少ない関係で5月24日に林道が開通し、多くの方々に有峰
を満喫していただきました。
 また、8月11日には恒例の「有峰森林文化村祭」を開催させていただき、
多くの方々に有峰の夏を楽しんでいただきましたが、諸般の事情により実
質1日のみの開催となりました。

 一方、今年は8月からの猛暑が続き、紅葉も例年より遅く始まり、いつ
もより遅くまで楽しむことができたのではないでしょうか。
 今は静かに冬の到来を待ち、来年の雪解けを待つのみです。
 また来年の6月に皆様と再会できますことを楽しみにしております。
 ありがとうございました。

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◆11月に寄せられた俳句
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 有峰村民の方々から俳句ポストに寄せられました11月の俳句を中坪達哉
さんに選んでいただきました。これからも優秀な作品を毎月掲載しますの
で、有峰へお越しの際はビジターセンターの俳句ポストへ投稿してくださ
い。なお、ビジターセンターは11月12日をもって今年の営業を終了しまし
たので、来年6月の営業再開時まで俳句ポストは休止します。今年最後の
入選句を紹介いたします。

 俳句ポスト 11月入選句   中坪 達哉 選(添削後)


雪を見て猪根平に仕事終ふ         河原 芳博

落葉の香足元透けて山毛欅(ぶな)の森    荻沢 明夫

初雪の重さありたる空仰ぐ         水野 博之

雪の朝マユミ可愛いや綿帽子        宮原 真樹

雪が降り静かに時が過ぎ去るや       柴山 泰輔

山の雪踏み行く心躍るかな         佐々木広子

露寒や猿膨らんで身を寄せし        大井 孝行

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