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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2006年7月8日 第107号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/中川正次
(発行日現在の有峰村民人口:529人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆生老病死そして生という命の循環ー愛着の森対話編    中川正次
◆ビジターセンターで工作してみませんか          
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◆生老病死そして生という命の循環ー愛着の森対話編    中川正次
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今年の有峰森林文化村の取り組みの中で、最も大事なものは、愛着の森対
話編です。5月13日発行有峰森林文化村新聞第103号で概要を述べましたが、
実際に始めてみて、三つの改良を加えました。

基本線は、変わりません。各自が好きな木を決めて、その木の10年以上
にわたる変化を写真撮影によって定点観測します。加えて、木とどんな会
話を交わすかという、心の変化を定点観測します。自分が最初に木を決め
てもよろしいですし、誰かが始めた定点観測に、自分が加わっていっても
かまいません。たくさんの人で物心両面の定点観測のリレーをしていくこ
とがミソです。

ただし、木に名前をつける権限は、最初に木を決めた人にのみあります。

改良の第一は、木に限らないということです。道でもいいし、滝でもよい。
このことは当初から考えていましたが、訴える力を高めるために、あえて
木で説明しました。

したがって、薬師岳の山容でもかまいません。あなたが気に入っていると
いうことが大事です。それが、花でも草でも沢でも山でもかまいません。
他人に説明するときの力を高めたいので、今後とも木を中心に説明します
が、その点、ご了解願います。

改良の第二は、体が不自由になって有峰に行けなくなった、あるいは亡く
なれたと連絡があれば、あなたの木のアルバムを、郵送することにしたこ
とです。ごらんになったら、返送してください。

このことによって、寝たきりになって、「あの木はどうしているだろう」
と思っていると、他の人によって継承されてきたアルバムを見ることがで
きるのです。また、亡くなられた場合、生前に好んでおられた木がどれで、
その木についてどう感じていたかが、本人の直筆とともに、家族や友人に
見てもらうことができるのです。

そもそも、愛着の森は、「あなたの好きな森とあなたの好きな木を最低一
つ、日本のどこかに決めてほしい。そして時々会いに行ってほしい。きっ
と人生が豊かになるだろうから」という考え方を基本にしています。

一方、「死を前にした時間はたんなる人生の終わりの時期ではなく、その
人の一生の意味づけをする完成期としてとらえるべきだ」とする考えがあ
ります。(柳田邦男著 「人生の答の出し方」参照)

第二の改良は、こうした二つの考え方の融合を実現するものです。

第三の改良は、倒れた木が土に還っていく様の定点観測を重要な柱に加え
ることです。7月1日の夜の語り部講で語り部をお願いした皆越ようせい
さんにお聞きしたところ、倒木をミミズたちが土に還していく様子を定点
観測しようとしても、いつの間にか片付けられてしまうそうです。有峰は、
県が森林を管理しており、有峰森林文化村という組織があるので、倒木の
定点観測を一般の人ができる、全国でも稀な場所であることに気づきまし
た。林道や遊歩道の間際の倒木は安全のため撤去すると思いますが、少し
藪に入れば、大丈夫だと思います。死んだ木が、新しい命のために朽ちて
いく様は、有峰森林文化村にふさわしい観察テーマです。

第二、第三の改良をしたことによって、愛着の森事業は、生老病死そして
生という命の循環に、自分と木を同じ位置に置き、対話する試みとなりま
した。

現在、3本の木が登録されており、アルバムが3冊できています。

アルバムを開くと、まだ2ページしかありません。右側のページには、そ
の木をいろんな角度から写した写真と、木によりかかったり抱きかかえた
りした写真が貼られています。左側のページには、どうしてその木が気に
入ったか、その木の下でどんな歌をくちずさみたたくなるかなどが、鉛筆
(ワープロではない!)で書かれています。どうしてその木が気に入った
かを読みますと、その方の人柄や人生がしのばれます。

今は、たった2ページのアルバムが、3冊、ビジターセンターに並んでい
るだけです。しかし、私の目には、20年間連綿と続いたアルバムが20
冊並んでいる姿が見えます。成功のイメージを心に描けば、始めたばかり
のころの、貧弱さは全く気になりません。

おそらく世界初の企画であり、是非、成功させたいと思っております。
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◆ビジターセンターで工作してみませんか              
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有峰ビジターセンターに有峰工房というコーナーを設けました。

枝やカラマツの松ぼっくりを材料に、グルーガンという道具を使って、樹
脂を熱で溶かし接着させ、素敵な小物を作るコーナーです。

商品は全部で5種類あります。ケイタイストラップ、トトロッチの森、鉢
と小さなリース、森の小さな窓、小枝のキーフックです。

材料は、「グループ樹の実(代表:若井直美さん)」から仕入れました。
このグループは、富山県内の自然や里山の生きものとともに活動していま
す。みなさんが、工作されると、里山を守ることにつながっていきます。

お値段も手頃ですので、一度、のぞいてみてください。
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