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ありみネット http://www.arimine.net/

有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2004年8月7日 第56号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/中川正次
(発行日現在の有峰村民人口:357人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆餅つき         内山 節
◆有峰森の中の詩吟教室  社団法人富山県農林水産公社
◆「ありみね森の劇場」参加者募集 
◆進化する子供渓流釣り教室         
◆平成16年7月に寄せられた俳句から
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◆餅つき         内山 節
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編集部注
有峰森林文化村では、昨年秋の森の感謝祭から、餅つきを、欠かせない活
動にしています。たまたま、社団法人大日本山林会の機関誌「山林」(平
成16年2月号)に、哲学者内山節(たかし)さんの「山里紀行」の餅つき
という記事を読みました。なるほどと膝を打つ内容でした。
社団法人大日本山林会の転用許可をいただきましたので、その記事を転載
します。メールマガジンとして読みやすくするため、改行を入れているこ
とを申し添えます。

里山紀行  IV日本  <第一五四回>
餅つき 内山 節(哲学者)

年末から年始にかけての上野村は、暖かい日々がつづいていた。一度降っ
た雪も山陰にわずかに残るだけで、畑の土も一向に凍ろうとしない。
最近の天候は変異が多すぎて、動物たちも読めないらしい。キジバトのよ
うに地面に降りて餌をとる鳥は晩秋の頃には雪の多い冬を予想して平地の
村へと移っていったのに、年末にはまた戻ってきた。スズメも帰ってきて
いる。

そんな暖かい陽ざしを受けながら、暮れには恒例の我が家の餅つきがおこ
なわれている。数年前から、須郷集落のすべての家の餅を我が家でつくこ
とになった。高齢化や家族数の減少もあって、私の集落でも、臼と杵で餅
をつく家は少なくなっていた。それなら、まとめてウチでつこうかという
ことになったのである。

餅つきの日には、多くの応援の人たちが我が家に現れる。群馬県内や長野
県からの人たちも結構いるけれど、数で圧倒するのは東京からの人たちで
ある。昨年はイギリス人やポーランド人の女性もいて、到着した人から餅
つきに加わっていく。応援の人たちもほとんどが餅をもって帰るから、昨
年は二升餅を六十三臼ほどついた。笑いたくなるような数である。

前日に我が家に泊まった人たちも大変だった。といだ米の量が百九十キロ
である。餅つきが終わった日の夜に我が家に泊まった人も、村の宿泊施設
に泊まった人たちもいる。家族三人で来て、宿泊施設に泊まった人の場合
など、宿泊代や交通費を考えると、一枚が四、5万円もする餅を持ち帰っ
たことになるから恐ろしいほど高い餅である。最近まで飯山市の市長をし
ていた小山さんは昨年も夫婦で応援に来ていて、餅は自分の家でもつくか
らと、つくためだけの参加である。

そんなふうに、五十人以上の人が各地から集まって、早朝から夕方まで餅
をつく音が、休むことなく響きつづける。北海道の苫小牧で写真家兼蕎麦
屋をしている網島さんは、毎年、参加できないからと、その日にあわせて
蕎麦をクール便で送ってくれて、盛岡の小島さんも酸化の代わりにと酒を
送ってくれる。長野の加藤さんはリンゴ、静岡の向笠さんはお茶と、こう
いう「参加者」も交じって、この日の我が家がにぎやかである。

イギリス人も十臼くらいはついただろうか。三本の杵でつくから、六十三
臼をつくには、延べ二百人近いつき手が必要なのである。このイギリス人
は、実に餅つきがうまかった。腰は安定しているし、ねらったところに正
確に杵が落ちる。あまりにうまいので、「実はイギリスでは、正月にこっ
そり餅をつく習慣があって、三歳のときからついていた、というじゃない
ですか」と聞いたら、真面目な顔をして、「いいえ、みたのも初めてで
す」。あまり冗談は通じないらしい。

彼はずいぶん餅を食べ、ずいぶん日本酒を飲んでいた。別れるときに握手
を求めてきて、「ワンダフル・タイムをありがとう」と言って、楽しそう
にしている。

須郷は八戸の家が肩を寄せ合うように集まった小さな集落である。陽だま
りにつくられた上野村でも古い集落で、まわりを山が包み、森が包んでい
る。この集落に暮らした人々は、これまでに少なくとも千回以上の正月を
迎えている。もちろん正月の迎え方は、時代とともに変わったことだろう。
水田をもたないこの村で、餅をいつからつくようになったのかもよくわか
らない。

それでも年の瀬にこうやって餅をついていると、私たちは、この集落とと
もに展開してきた、永遠の営みに加わっているような気がしてくる。自分
たちもまた、永遠の時間を受け継いでいるという安心感が、なんとなく共
有されてくる。垂直的な時間世界のなかで、私たちはいま孤立した個人で
はないのだ、という。

人と人とが、人と自然が結び合う世界をつくってくるという言葉は、いま
ではいたるところで使われている。そこで語られているのは、水平的な世
界で結び合うという意味なのだけれど、森に包まれた古い集落で餅をつい
ているときに感じられるのは、私たちは垂直的な世界でも過去の人々と結
ばれているという感覚である。そして、そのことが与える不思議な安心感。
集落の人たちの餅もつく、ということも何となく参加者たちにとっては悪
くない。たとえさわやかに、であっても、村の人たちの役に立つかたちで
訪れている、ということが。そして、このかたちもまた、永遠に大事にし
なければならない何かをふくんでいるように、参加者たちにも、私にも感
じられる。

だから、それは、私にとっても「ワンダフル・タイム」なのである。そこ
に、あいまいな永遠性を感じることができるから、である。
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◆有峰森の中の詩吟教室  社団法人富山県農林水産公社
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大自然の中で思い切り吟じよう
1 主催 社団法人富山県農林水産公社
2 場所 大山町有峰
3 日程 平成15年9月11日(土)から12日(日)
(1) 富山駅北口、11日9時集合。バスにて有峰に向かう。
(2) 詩吟教室、遊歩道散策、たき火などをします。
(3) 有峰ハウス宿泊。
(4) 富山駅北口、12日14時30分解散
(5) 立山あるぺん村での乗車可能。
4 対象者 定員20名。初心者歓迎。
5 指導者 高堂敏春(昊岳)さん
        社団法人日本詩吟学院岳風会富山県本部所属
高堂さんは、有峰森林レンジャーでもあります。
6 参加費 3,200円(食費、宿泊費、保険料を含みます)
7 申し込み方法
葉書に、住所・氏名・性別・電話番号を記入の上、申し込んでく
ださい。
930−1458 大山町有峰
社団法人富山県農林水産公社有峰森林部詩吟係
平成15年8月7日から9月5日まで
8 問い合わせ
(1) 電子メールinfo@arimine.net
(2) 電話 076−481-1758 担当 穴田親子
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◆「ありみね森の劇場」参加者募集 
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有峰森林文化村では、いろいろな方法で、有峰の森の持つ大きな力を試し
てきました。
今回は、有峰の森というきっかけを加えることで私達はどれほど元気にな
れるのか?調べてみたいと思います。

〜ありみね森の劇場〜

有峰の森の中を歩いて元気になる。
なぜだか笑いが溢れてくる。
ただ、そこに居るのがとても気持ちがいい。
元気をとりもどし、自分に出会いなおす場所、「ありみね森の劇場」
人生という「本」の中で展開する自分の唯一無二の物語がいかに大切か、
そして明日というページをめくることが楽しみになってくれればいいなぁ

〜概要〜
1 主催 北日本新聞社
2 協力 社団法人富山県農林水産公社
3 日程 2004年9月18日(土)〜19日(日) 1泊2日
4 対象 中学生以上 定員20名(日本語で意志の疎通ができる方、国籍
は問わず)
5 水先案内人 橋本久仁彦 氏(プロフィールは文末)
6 内容 
森のそぞろ歩き、たき火を囲む、プレイバックシアターで遊ぶな

冷夕谷キャンプ場で泊まります。
プレイバックシアター詳しくは
http://www.playbackschool.org/japan/
7 費用 2500円(予定)
8 集合場所
富山駅北口または立山あるぺん村(バスで現地へ向かいます)
9 申込方法 
氏名、住所、電話番号、希望の集合場所(富山駅北口 or 立山あ
るぺん村)をご記入の上、メールまたはFAXでお申し込みくださ
い。
10 申込・連絡先
〒930−1458大山町有峰
社団法人富山県農林水産公社有峰森林部「ありみね森の劇場」係
mailto. info@arimine.net
TEL/FAX 076-482-1420(担当 関原康子)


〜橋本久仁彦さんのプロフィール〜
1958年生まれ。大阪市出身。
高校教師時代はパーソン・センタード・アプローチに基づく「教えない授
業」を実践。その後アメリカやインドを遊学し、人間同士の情緒的なつな
がりや一体感を最大限に生かす組織作りと、エネルギーの枯渇しない自発
的で創造的なコミュニケーションに関心を持ち続けている。
1990年より龍谷大学学生相談室カウンセラー、1996年より龍谷大学カウン
セリング課程の講師を兼職。1997年にオーストラリアでの国際プレイバッ
クシアター・カンファレンスに出席し、人間の自己実現と場の一体感をも
たらすプレイバックシアターの大きな可能性を知る。2001年12月で龍谷大
学を退職し、プレイバックシアタープロデュースを立ち上げてその研究と
普及に力を注いでいる。
現在、スクール・オブ・プレイバックシアター日本校講師、神戸女学院大
学非常勤講師。
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◆進化する子供渓流釣り教室
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夏に各地で開催される、魚のつかみ取り大会。これでいいのかという気持
ちから、飛越交流サマーin有峰では、有峰森林文化村会議が子供渓流釣り
教室を開いてきました。

昨年は、猪根谷の堰堤の下の水溜りに重機で穴を掘り、釣堀をつくりまし
た。そこに、岩魚を放流し、釣り教室を開きました。

今年は、放流すること自体の環境への懸念から、放流をやめました。そし
て、真川での釣り教室に変更しました。

場所選定が一番問題なわけですが、財団法人日本釣振興会富山県支部のみ
なさんとの前日の下見で、釣れるかどうか全くわからないけれど、真川の
河原でやろうと決めました。

8月1日の9時に有峰記念館をバスでスタートする小学生とその保護者から
なる第1組。12時にバスでスタートする第2組。それぞれ、小学生は各
組20名です。

第1組は、2匹ほどしか釣れませんでした。ところが、第2組は、20匹
ほど釣れました。

何より、気持ちのいい河原で、水の中に入って、子供達は大喜び。この清
流を大事にしたいという気持ちが、みなの心に広がります。

釣り時間が終わると、下から上げて1時間前から河原で焼いた岩魚(これ
は養殖)を、皆で食べました。釣った天然岩魚は、各自に持ち帰ってもら
いました。大きなものは、さばいて塩漬けにしてもらいました。

ご協力いただいた、財団法人日本釣振興会富山県支部のみなさん、社団法
人農林水産公社水産部に心から感謝します。こういう細やかな積み上げこ
そが、地球環境を守っていくのだという決意を新たにしました。
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◆平成16年7月に寄せられた俳句から
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吉事山金色に浮き月涼し        穴田 親子

出遅れの杜鵑(ホトトギス)鳴く晴れ間かな    早川 武彦

息とめて蜂はなるるを待つ少女       中川 正次

梅雨晴れに雲湧き上がる薬師岳      黒川ゆきお
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原稿や感想をお待ちしております。
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