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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2004年6月26日 第53号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/中川正次
(発行日現在の有峰村民人口:348人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆笠山春秋(1/3)   大山町・石森誠治
◆人事を尽くして天命を待つことのむつかしさ
−山開き歓喜の集いを終えて−
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◆笠山春秋(1/3)               大山町・石森誠治
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小口川の源流、祐延ダムの湖面に影を映す東笠山、その西にドンブリ笠を
置いたような丸い頂が西笠山で長棟川と熊野川の分水嶺となっている。

山にはいろいろな形態があるが東笠山は登って楽しむ山であり、西笠山は
眺めて美しい山でその端麗な容姿は東に聳える鍬崎山が男山ならなだらか
な半円形の山容はまさしく「祐延の女王」で古くから地元民の生活に深く
関わってきた。

春まだ浅い頃、野良仕事の傍ら陽炎を背に山を眺め、今年は雪きゃ多いと
か少ないとか、山ぁ青くなってきたで、山くさ出るじゃ、笠の頭へ雪ゃき
たでそろそろ冬支度せんならん等、新緑から紅葉、冠雪に至る四季に至る
四季の目安として親しまれてきた。

両山とも登山道はなく、有峰街道や長棟からの連絡道も廃道となった今日
では、登る人も殆どないが私は毎年雪解けを待って春から秋にかけて登っ
てきた。

それは手つかずの自然をそのまま残している数少ない山だからである。

早春の谷中には大きな雪崩のブリッジがあるかと思えば、ウドやゼンマイ
に混ざってイワカガミやショウジョウバカマが可憐な花をつけ殺風景な谷
間を彩っている。

谷の中に道はないが登山道と変わらず歩きやすく、ブナやトチの原生林の
トンネルを行くので夏でも涼しく2時間で東西笠山の尾根に着く。

眩いばかりの陽光の中に重畳する百嶺が視界を奪う。

ここは有峰から水須と長棟への交差点だったところで山中には今も幽かに
道跡が残っている。

編集部注 1988年に石森さんが書かれた、「笠山春秋」を、3回に分けて
掲載します。
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◆人事を尽くして天命を待つことのむつかしさ
−山開き歓喜の集いを終えて−
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有峰森林文化村は、その事業体系図を図のように定めています。ありみネ
ットの中の、有峰なぜ?なに?辞典の「体系図」をご覧ください。
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この愛しながら守る枝に、森の集いシリーズがあります。森の集いシリー
ズは、山開き歓喜の集い、春の恵みの集い、皆で仕事の集い、秋の恵みの
集い、山じまい感謝の集いからなります。その「山開き歓喜の集い」を6
月12日(土)13日(日)に30人で開催しましたので、その報告をします。

昨年10月の森の感謝祭では、指導員だった石黒智美さんが森の精として盛
んな喝采を受けました。今回の集いでは、最初に、今年の有峰森林文化村
の3人の指導員(関原康子、柳川朋美、穴田親子)が、有峰3名花(それぞ
れミズバショウ、ヤナギラン、クガイソウ)として、皆に紹介されました。

1日目は、午後1時集合。時間がたつにつれ、雨粒が大きくなる雨でした。
しめ縄をない、もちつきをし、納豆汁をつくりました。ミズナラの有峰大
助にしめ縄を飾り、つきたての餅をお供えし、祝詞のあと、日本舞踊が奉
納されました。新しくできたしめなわをしめた大助は、前にもまして凛と
した姿です。途中から雨に降られましたが、ガスのかかる峰々の中、厳か
な雰囲気でした。夕食後、室内で「森の音楽祭」を楽しみ、アルコールな
しの語り合いをしました。その後、もちよったお酒と漬物で宴をしました。

2日目は、さわやかな青空が広がりました。ナメコの植菌をしたあと、8
月26日(木)27日(金)に予定している「皆で仕事の集い」の予定地である
東谷の土捨て場のハンノキ林を現地視察しました。モリアオガエルが、木
の枝に綿のような卵を産んでおり、その下の水たまりに、たくさんのオタ
マジャクシが泳いでいて、皆で歓声を上げました。昼食後、午後1時過ぎ
に解散しました。

今回の集いを振り返って、行事と雨の問題について思うところを申し上げ
ます。

行事が始まるまでは、正直申し上げて、逃げ出したい気持ちになります。
準備にポカがあるのではないかと、心細い気持ちのうちに時間が過ぎてい
ます。かまどを用意して、なべを用意してと準備をしていても、何か抜け
ているような気がしてなりません。ところが、はじまってみると、これま
での準備が、実を結び、手堅く進行していきます。

ところがの雨です。天気予報をみても、また、空の雲を見ても、たとえ雨
が降っても、すぐに晴れるだろうと、皆で話をしていました。しかるに、
皆の願いもむなしく、降ったりやんだりが続き、だんだん大粒の雨になり
ました。

もちつきをどこでつくか、しめ縄をどこで編むかの変更。雨の中で、大助
の前でお酒を飲むか、夕食をどこでいただくか、森の音楽会はどうするか、
たき火を囲んでの宴会はどうするか。こういう対応に、スタッフは頭を痛
めました。

有峰で語り部講などの行事をする場合、雨の問題は避けて通れません。参
加されるかたには、暖かい格好と雨具の準備を是非、お願いしたいと思い
ます。また、スタッフが天候の変化に対応する柔軟さも不可欠です。さら
に、参加者に対して「意に沿わぬときはパスしてもいいこと」を、きっち
り伝えた上で、与えられた条件の中で最高の地点に到達するよう、嵐の中
を進む船長のように判断していかなければならないのだなあと思いました。

まさに、人事を尽くして天命を待つだと思います。
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