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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2004年5月1日 第49号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/中川正次
(発行日現在の有峰村民人口:330人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆冑権現、33年に一度の大開帳
◆本多啓七先生と有峰地方の植物方言      黒部市・長井真隆  
◆2004有峰年賀状コンテストの結果発表               
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◆冑権現、33年に一度の大開帳
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有峰の菩提寺であった大山町上野の大川寺(だいせんじ)には、室町時代
の懸仏 千手観音(冑権現:かぶとごんげん)があります。昭和38年大山
町指定文化財です。

その冑権現が、5月9日(日)に、33年ぶりに開帳されます。有峰の歴史に
興味を持つ方は、次の33年まで待てるという人を除いて、ごらんになるこ
とをお勧めします。

冑権現の由来
冑権現は旧有峰村に伝えられていたもので千手観音を中央に、その上に天
蓋、華瓶には華が献ぜられており県下に伝えられている冑権現の中では随
一と言われています。

日程
8時30分より、大川寺山33観音順拝(雨天の場合は本堂内にて参拝)
11時より、懸仏・千手観音御開帳(午前の部)
12時より、昼食(たけのこ弁当で大川寺が接待してくださいます)
13時より、薬師さまの大祭り、花まつり、懸仏・千手観音御開帳(午後の
部)

電話番号
076−483-1259
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◆本多啓七先生と有峰地方の植物方言        黒部市・長井真隆
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本多啓七先生は、平成15年10月28日、ご逝去されました。享年91歳で
ありました。先生は黒部市三日市のお生まれで、戦中・戦後をとおして教
育界でご活躍され、一方では富山の植物研究に精進されて多くの研究論文
を発表しておられます。

その一つに植木忠夫編『有峰の自然を探る』(昭和36年)に「有峰地方
の植物相」という論文があります。昭和36年に有峰ダムが完工しました
が、湖底に沈む前の生物相を留めようと、それ以前に有峰生物相学術調査
団が結成されました。この著書は、いわばその報告書と言えるものです。

この中の本多先生が執筆された「有峰地方の植物相」には、植生や植物目
録のほか「有峰部落の植物方言」という項目があります。ここには有峰固
有の植物方言として19種の植物が紹介されていますが、今では貴重な記
録となっています。かつて有峰で生活した人たちの暮らしを、その植物方
言をとおして垣間見ることができます。そのうち比較的馴染みのある植物
を紹介することにします。

1 アカメシバナ=和名オミナエシ 
    村人が常食としていた粟飯にに似た黄色の穂状花であることから
    かと思う。

2 カセバ=和名リョウブ
    主食の代用となる物を越中ではカテといっているが、このカテが
    同列変化によってカセになったものと思う。つまり主食の代用に
    なる葉という意味で・・・。(以下略)

3 カネクイモミ=和名コメツガ
    これはコメツガの幹が堅くて、この幹に打ち込む斧の歯がはやく
    こぼれ減ることからきていて、亜高山帯の樹木を相手にした杣人
    の経験がよくしみでている。

4 クマイリ=和名ミズバショウ
    岐阜県郡上郡では「目をクマス」、「この子は臍をクマイとる 
    だ」とかいって、クマイリの語源は物の間から対象物が露出して
    いることを意味しているようである。つまりミズバショウの印象
    的な白花は、早春の有峰の湿原に点在して、恰もクマイとるよう
    な景観から名づけられたものと考えられるが、また一面ミズバシ
    ョウの花穂が白い仏焔包からのびき出ている様子は恰も山の動物
    たちの主人公である熊の男根が露出していることにも似ているこ
    とから、「熊いぶり」という、男根の古語である「イブリ」が 
    「熊いり」となったものではなかろうか。洵に珍妙な方言である。

5 サルスベル=和名クロベ
    樹皮がすべすべしていて猿ですら滑り落ちそうであると考えたも
    のか、クロベの樹皮の特徴をよく表現している。

6 ゼンジョウ=和名アオモリトドマツ
    これは結伽跌坐をして、心を一事に集注して三昧の境に入ること
    の禅定からきたものらしく、高山帯の近くで1本1本が孤立して生
    えているこの樹木の姿は、恰も仏僧の坐禅そのものといってよい
    樹相であって、まことに適切な名称と思われる。
      以下長井注釈「立山では、アオモリトドマツをかつてゼンジ
             ョウスギ(禅定杉)と呼ばれていた。これは
             高山植物のゼンテイカ(禅定花)の名称と共
             通する。」

7 ネコノオグサ=和名クガイソウ
    この植物の花穂が猫の尾に似ていることからと思われる。

8 ハナヒグサ=和名ハナヒリノキ
    木の葉を乾燥して粉末となし、この粉末を便所に撒いて蛆を殺す
    ことに使用したとのことであるが、この粉末が鼻に入ると刺激さ
    れて、鼻がひりひりするところからきたものと思われる。

9 ハンナガゴヨウ=和名チョウセンゴヨウ
    これはこの五葉松の球果が、ふつうのヒメコマツよりも半分以上
    も長いところからきたものと思われる。

10 ヨハイヅル=和名ヒカゲノカヅラ
    これは有峰の過去にあったと思われるヨハイの習俗にこの植物の
    紐状茎の匍匐した姿が似ている処から、連想して名付けられたも
    のと思われる。
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◆2004有峰年賀状コンテストの結果発表
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2003年11月29日号で募集しました、有峰年賀状コンテストの結果が決定し
ました。

11点の作品が寄せられ、有峰森林文化村懇話会で審査していただきました。
結果、5点の優秀作品が選ばれ、有峰ハウス1泊2食ペア利用券をお送りし
ました。

優秀作品
サル、カモシカ、クマを撮影したユーモアある年賀状 石川邦夫さん
有峰薬師まんだら                  大瀧雄治さん
有峰湖畔での写真と紀行文              大瀧泰子さん
有峰ダムの版画              平内克昌さん、好子さん
森の感謝祭の森の妖精と有峰大助          若尾昇さん

全作品は、有峰猪根山荘で展示する予定です。

来年もコンテストを実施する予定ですので、よろしくお願いします。
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