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ありみネット http://www.arimine.net/

有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2004年3月20日 第45号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/中川正次
(発行日現在の有峰村民人口:323人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆渡りをする蝶 アサギマダラ   富山市・堀内 晃
◆狛犬をジョーカーとすることについて 編集部
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◆渡りをする蝶 アサギマダラ   富山市・堀内 晃
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野鳥に似て、長距離の「渡り」をするというアサギマダラのロマンや謎に
少しでも迫りたいと、一昨年、「富山アサギマダラ調査グループ」がス
タートし、昨年は有峰での捕獲・マーキングの結果が、多くの成果を生み
ました。

私も事務局として参加しましたので、このことについて少し述べさせてい
ただきます。

1.アサギマダラとは
マダラチョウ科に属し、本来南方系の蝶で、日本に生息する5種のうち本
州に生息する唯一の種であり、北海道から南西諸島にかけて広く分布しま
す。

「アサギ」(浅葱)という名前が示すように、青白く透き通るような色と黒
色、茶色の外見をしている魅力的な蝶です。

2.渡りについて
高温を嫌い、季節変動による気温の上昇とともに、山岳地帯や高緯度地方
へ移動し、秋冷とともに、平野部や低緯度地方に移動します。

1970年代から、「渡り」の実態を探ろうと、全国各地の団体や愛好家が、
アサギマダラの羽にマーキングをして放蝶し、再捕獲された場所や日時な
どの照合で「渡り」の様子が次第に解明されつつあります。

2001年秋には、奈良県生駒市と台湾の間、実に2010kmの長距離を飛翔した
事実も判明しました。

3.マーキングについて
左右の後翅腹面に鱗粉が無い部分があるので、傷をつけないように油性の
フェルトペンで記号や通し番号・月日などを記入し、再放蝶します。

「富山アサギマダラ調査グループ」では、左に「TSN」の記号を、右に通
し番号を記入しています。

あらかじめ、事務局のある「自然博物園ねいの里」に連絡していただけれ
ば、マーキング方法や記録用紙・持ち番号などをお知らせします。
 
4.有峰での捕獲
富山県下では、主として、有峰、白木峰、五箇山などで捕獲・マーキング
が行なわれています。

昨年は当グループで252個体のアサギマダラにマーキングをして、その内7
例が大分県や鹿児島県の喜界島などの7ケ所で再捕獲されるという嬉しい
知らせが届きました。

これは全て、有峰の東谷や冷タ谷で捕獲し放蝶されたものばかりです。

それでは、7例について飛翔距離や所要日数を具体的に記載してみましょ
う。

9月11日(冷タ谷) → 11月16日(高知県室戸市) 約464km   66日間
9月11日(冷タ谷) → 10月 8日(大分県宇佐市) 約642km  27日間
9月12日(冷タ谷) →  9月20日(三重県菰野町) 約181km   8日間
9月12日(冷タ谷) → 10月 5日(愛知県田原町) 約200km  23日間
9月17日(冷タ谷) → 11月14日(鹿児島県喜界島)約1148km  58日間
9月18日(東 谷) →  9月29日(大阪府高槻市)  約247km   11日間

さらに、楽しいのは、
9月7日(長野県白馬村) → 9月17日(有峰) → 10月11日(愛知県田原市
)
と、二度にわたり再捕獲され、移動する様子がより詳しく判明したことで
す。

5.今年のイベント 
前述したように、有峰は県下でも有数のアサギマダラの生息地でもあるの
で、今年は「有峰森林文化村」と「自然博物園ねいの里」の共催で、9月1
2日にイベントが予定されています。(詳細は追って発表されます)

皆さんも一緒にアサギマダラとの遭遇や、マーキングと渡りのロマンを体
験してみませんか。

編集部注
アサギネット
http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/asaginet000.htm
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◆狛犬をジョーカーとすることについて 編集部
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前号で、有峰トランプの編集が始まり、狛犬をババとする予定であると報
告しました。

有峰村民の方から、このようなメールをいただきました。
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トランプのババを狛犬にするのは、どんなものでしょう。

トランプのババの意味合いも良く知らないのですが。ババ抜き、いらない
もののイメージが強くないですか、狛犬を信仰していた先人達の心はどう
なるのでしょう。

狛犬をババにするのは反対です。
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有峰森林文化村新聞をご愛読いただきき、心から感謝したします。

トランプのあのカードは、ジョーカーというのが正式名称で、ババという
のは日本で通用する表現です。カードにもJokerと書いてあり、ババと書
いたトランプは存在しません。

一方、Jokerの意味を英和辞典で調べると、
冗談をとばす人, おどけ者; 〔話〕 (ふざけてばかりいて)まじめに付
き合えない人; (トランプの)ジョーカー; 〔話〕 やつ, 男; 〔米〕
(定款・法案を骨抜きにする)まやかし条項; ぺてん, 策略

とありました。

文献を調べたところ、以下のことがわかりました。

1 トランプのジョーカーは、日本で作られたものである。

2 昔、海外に行った日本人がババ抜きみたいなトランプゲームをやって
いるのを見ていた。引いてはいけないカード、いまでいう「ババ」はなに
かと思って見ていたらクイーンだった。

3 西洋では4枚あるクイーンのうち、1枚をはずして遊ぶ。するとクイー
ンが、1枚だけ最後に残る。それを持っている人が負けというルールだっ
た。これをオールドメイドと呼ぶ。西洋ではクイーンをひとりはずして
「抜いて」遊ぶからババ抜きだ日本人は考えた。

4 それを日本ではジョーカーを勝手に作り出してジョーカーを使ってバ
バ抜きするようになった。

5 その後、いまの西洋のトランプに、逆輸入されてジョーカーが定着し
た。

http://www.1101.com/nintendo/hakubutsu1/hakubutsu2.htm

このような歴史から考えると、ジョーカーは、いらないものからスタート
して、トランプゲームを大きく変えた日本の画期的な発明ということがで
きると思います。ジョーカーは、もはやいらないカードではなくて、切り
札として、七並べ、51ストップ、大貧民などで非常に重要な役割を果た
しています。英語も含んで考えると、トランプゲームを面白くするための
「ユーモアある重要なしかけ」と解釈するのがよいかと思います。

有峰トランプを考える際に、伏木で作られた「万葉のふるさと伏木五十四
景トランプ」を参考にしました。そのトランプでは、雨晴海岸の風景や大
伴家持の銅像などが使われています。その中で、ジョーカーは2枚あり、
越中国府の想像図と伏木外港の完成予想図が描かれています。他の52枚は
全て写真なのに、この2枚だけが絵です。伏木の人達が、この2枚を、いら
ないものと考えているわけはありません。

有峰を考えるときに、狛犬はキーワードです。歴史という面、動物という
面、木で作られているという面。まさに有峰における森林文化を象徴する
といっていいと思います。経緯をたどれば、狛犬が松本市から78年ぶりに
大山町に帰ってきた平成12年の大山町民文化会館におけるシンポジウムが、
有峰森林文化村が構想されはじめたきっかけでもあります。

さて、普通の52枚のカードのうちの、ダイヤ(歴史)の1枚に狛犬を割り
振る予定にしております。湖底に沈んだ東谷宮の社殿のひさしの下に置か
れていた狛犬が変遷を経て78年後、大山町に戻ってきたことなどが説明さ
れることとなると思います。しかし、1枚を割り振るだけでは、有峰のシ
ンボル狛犬に与える役柄としては、不足だと思います。有峰森林文化村の
シンボルマークの二枚の葉っぱは、阿吽(あうん)ちゃんと呼ばれていま
す。狛犬の阿吽に由来します。こうしたことからも、「ユーモアある重要
なしかけ」ジョーカーの座は、狛犬をおいて考えられないのではないでし
ょうか。

視点を変えて、狛犬以外に何をジョーカーにするのがふさわしいのでしょ
う。薬師岳、有峰ダム、ブナ、イワナなどが候補に挙がりますが、いずれ
も、「ユーモアある重要なしかけ」ジョーカーにするには役不足です。

どうか、ご理解の程をお願いします。
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